第2話 TRPGの概要やシステムの説明
■ ゲームシステム名:『レガシー・アーカイヴ (Legacy Archive)』
1. コンセプト
(1) 世界観の骨子
・古代文明の遺産と神秘的な呪術が交錯する広大な大陸が舞台。
・遥か昔に繁栄を極めた「アルカナ帝国」の遺跡や、超常的な工学技術を秘めた遺物(レリック)が世界各地に点在している。
・現在の世は中世ファンタジーの王国が並立しており、騎士や傭兵、魔術師たちが行き交う一方で、廃墟や封印領域などはほとんど手つかずのまま。
(2) 冒険者(PC)の立ち位置
・プレイヤーキャラクター(PC)は“探索者”となり、失われた文明の痕跡を求めて遺跡や封印領地へ赴く。
・依頼を受けて宝物を回収したり、邪悪な呪いを解呪したり、古代の機構を解除したり――冒険の目的はさまざまだが、どれも「未知の領域を踏破し、歴史に埋もれた真実を解き明かす」という共通テーマがある。
(3) スリラー要素と謎解き
・望月氏は本作を「サバイバル探検」として位置づけ、ホラー要素や謎解きギミックを濃密に仕込もうとしていた。
・敵モンスターだけでなく、迷路状の構造、罠と仕掛け、古代呪術、光学的装置や錬金術的機械など、多面的な障害が待ち受ける。
・PCは単に戦うだけでなく、「この扉をどう開くか?」「光と影を使った装置をどう攻略するか?」など、知恵と協力を要する局面に直面する。
2. 基本ルール
(1) 行動判定
・能力値 + 多面体ダイス を使用する方式。基本は1D20あるいは2D6など、卓(セッション)ごとに選択可能だが、作中では1D20が基準とされるケースが多い。
・成功度システム: 行動の難易度(DC)を設定し、判定結果がDCを超えれば成功。
・例: 「扉のロック解除はDC15」「魔術書の解読はDC12」など。
・成功・失敗だけでなく、成功度合い(例えば5点以上の達成など)や失敗度合い(大きく届かなかった場合)により追加のイベントやペナルティが発生する。
(2) キャラクター作成の概略
・基本能力値: 筋力(STR)、敏捷(DEX)、知識(INT/EDU)、感覚(PER)、意志(WIL)など5~6項目を設定。
・スキル(技能):
・探索系(〈探索〉〈目星〉〈工学知識〉〈呪文知識〉など)
・戦闘系(〈剣術〉〈弓術〉〈魔術行使〉など)
・社交系(〈交渉〉〈説得〉〈威圧〉など)
・呪術・魔術:
1. 遺物(レリック)に宿る工学的呪文
・特定のデバイスにより火砲のような攻撃や、光学的な幻影生成などを行う。
2. 古代文字による封印術
・巫術や結界形成、アンデッドの鎮圧といった儀式的手段。
(3) 戦闘の大枠
・主にターン制を用い、各ラウンドで移動→行動(攻撃/魔術/操作など)を実行。
・特筆すべきは戦闘以外の「探索行動」が同じ程度か、それ以上に重要という点。謎解きや仕掛け解除に1ターンを費やすことも想定されている。
3. 特色
(1) 多層的な“力学”の併存
・魔術、工学、錬金術、呪いなどが同時に存在。
・シナリオ制作者(GMやシナリオライター)が、どの分野を強調するかで印象が変わる。
・例: 「工学メイン」→古代の機械文明が残る廃工場マップ。
・例: 「呪術メイン」→呪われた神殿や霊的存在との戦い。
・望月氏の設計したシナリオは、「扉一つを開けるにも工学&魔術両面の対応が必要」といった複合ギミックを好む傾向にある。
(2) 運命カード(オプショナル)
・セッションの開始時、各プレイヤーがデッキから1枚カードを引く。
・カードには「宿命」や「一時的な強運/不運」「隠された背景の開花」などが書かれており、シナリオ展開に影響を与える。
・例: 「運命カード:〈血塗られし誓約〉――あなたは古代契約に縛られており、特定の場所に近づくと呪いが発動する」
・GMが活用すればドラマ性を高められる反面、初心者には若干扱いづらい要素。必須ルールではない。
■ ゲームのプレイフロー(参考)
1. キャラクター作成・セッション導入
・PCたちがどんな経緯で“探索者”として集まるか、GMが設定。
・王国の依頼、ギルドの任務、個人的な復讐のためなど、目的意識を持ってダンジョン/遺跡へ出発。
2. 探索パート
・遺跡や封印領地に入り、各部屋や回廊を調査。
・技能判定(探索技能、工学知識、呪文知識など)を用いて古代装置を起動/解除する。
・トラップや謎解きに対応 → 失敗すると罠が作動しダメージor閉じ込められる。成功すると新たなルートを確保。
3. 戦闘パート
・遭遇表やシナリオ進行に応じて、モンスター/亡霊/自律機械兵などが出現。
・戦闘中でも「装置の操作」「呪術の解除」に行動を割く必要がある場合が多い。
・戦闘が終わっても安心できない。先へ進むたびに仕掛けが待ち受ける。
4. クライマックス
・シナリオごとに設定された“ボス”(強力な魔物、邪悪な呪術師、遺跡のメイン制御装置など)と対峙。
・ここで運命カードの効果や、PCの成長・リソース管理が最大限試される。
・成功すれば封印が解除され、または秘宝を発見してエンディングへ。失敗すれば遺跡に永遠に閉じ込められる……といった変動要素。
■ 実際に遊ぶ際のヒント
1. ゲームマスター(GM)の準備
・シナリオマップ:部屋名、仕掛けや扉の謎解き要素、魔術&工学ギミックの配置。
・モンスターやNPCのデータ:戦闘ステータス以外に、罠解除のヒントを与える古文書や、ライバル探検者の存在などを用意すると世界観が深まる。
・運命カードの事前作成:デッキに10~20枚のカードを用意し、イベントを盛り上げる。
2. プレイヤーへの勧め
・戦闘能力だけでなく、〈工学知識〉〈遺物操作〉〈呪術解除〉など、探索系スキルを重視したキャラメイクが推奨される。
・ロールプレイ好きなら、PCの背景に「古代文字を研究する学者」「機械工学に長けた発明家」「封印術を継ぐ神官」などの設定を盛り込みやすい。
3. 難易度調整
・初心者向けには、謎解きや仕掛けを単純化し、モンスター数も少なめに。
・中級〜上級者向けには、複雑なダンジョン構造、複数段階の罠、手分けしないと解けない仕掛けなどを盛り込む。
・望月氏が構想していたシナリオは「ギミックを重ねる」傾向が強いため、初参加プレイヤーが混乱しないよう配慮が必要。
■ 作品の特長
1. “鍵”以外の複雑なトリック
・従来のファンタジーTRPGでは鍵と扉の謎が主流な場面が多いが、本作では光学装置、投影結界、レーザー迷路、錬金装置など、多彩なギミックが登場可能。
・「ある部屋は重力が反転し、壁を歩かないと先へ進めない」などの超常現象も視野に入れられる。
2. ホラー&スリラー要素
・亡霊や呪いを強調して、プレイヤーに恐怖感を与える演出が可能。
・中盤までは“どうやって先へ進むのか”を悩み、終盤に“黒幕やボスの正体”が判明して絶望/逆転の快感を味わうのが醍醐味。
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