第7話 入団(1)

あれからどのくらい時間が経っただろうか、もうかれこれ5分、上からの視線に耐えているだけだ。すると、ドスンという音とともに地面が響いた。すると、上の様子が少し変わりだす。


「ヨォ、ガキぃ〜」


「んなっ!あの時のおっさん?!えっどうやって?…」


このガタイを見てわかれと言わんばかりの表情をみせるおじさんだったが、指差す方向を見るに俺より断然高い位置から飛び立ってきたことになる。そうしてルイスと二人して驚き、不思議がっているとおじさんは口を動かし始めた。


「てめぇら...無能なのか?こんな人材を勧誘しないなら俺がもらってくぞ二人ごとしっかりよォ!」


「我々に勧誘する権利は無い。ましてや...」


上の騎士団長観覧席の真ん中にいたおそらく一番強いであろう騎士団団長が、聞こえないような微妙な声量でおじさんに話しかける。話は続き、俺は衝撃を受ける。


「ましてや...""""、誰が必要だと思うんだ?我々聖騎士団を舐めるなよ...。ダン・ジャイロ…」


(せっ、聖騎士団!?この人あの聖騎士団団長名前を知られてる!?何者…)


俺がそう思って拍子抜けしていると、聖騎士団長は話を続けた。


「さぁ…誰を…いや、を選ぶ…一次の勝者よ。」


「あんたは…光の騎士団、エンジェラートの団長なのか?…」


白ベースに金の装飾がある仮面をした上の男に向かってルイスが話しかける。男は「そうだ。」と言っているような、ここからでも伝わる変な気を持っているかのような頷きを見せた。そして、ルイスがした選択はもちろん...。


「俺は…エンジェラートに行くよ。ハオ、」


「………。」


俺は無言でいた。


続く

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