第3話 稀な存在
だがハオは...
魔術師になる、なれる希望などとうに無かった。あっても意味がないからだ。
王国騎士団の魔術師や剣士には階級があり、両方下から例外、3級、2級、永級の4クラスがある。だが、幼い頃から剣の修行をしたわけでもないハオは、これも無理な選択である。だがハオは諦めてなどいない。ー
「旅の目的なんてもんは、俺が俺自身を最強と認められるまでの旅路の中で見つける。だからお前は勝手に強くなって待っとけルイス、気付けば俺が上にいて、世界を変えられる存在になってる!ニッヒヒ...」
口下手なハオがそんなことを言って、無理に笑うから、ルイスの目には多少の涙が浮かんでいた。彼らはいつしか壊し合う関係にあるのに。
「あれ!?ルイスどうした!?…」
「お前が!!…いや、風で目がさ...はは、」
そう言って彼らは昔の頃のように...一緒に歩幅を重ねて行く。
続く
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