第4話 餞別と始まり

 そうして4日後…彼らは王都に着いた。

 これからハオは強さを求めて…最強になるべく旅に出る。だがルイスは王国騎士団に入団するためのテストを受けに行く。その前に餞別としてお互い市場を周ることにした。


「うおぉー!これ、ルイス喜ぶかな…」


(これ、ハオは嬉しいかな…ありがとうシスター、出資金のおかげでギリ買える...。)


 ハオがルイスのために購入したものを抱えて歩いていると、ものすごくガタイが良く、身長も高い、いかにも戦士のような男とぶつかってしまった。


「って〜...す、すいません...」


「あ"?痛かねぇよガキ、お前は平気か?」


(見た目の割に優しい...、)


 ハオはそう思いながら男を見上げる。男はそそくさと歩いていってしまった。

 ルイスとの待ち合わせを思い出して急いで駆けつける。試験場前へ着いた二人は、お互いに餞別を渡し合う。


「これ...お前が、どんなスタイルになっていくかはわからない、でも必要だろ?最低限は。」


 ルイスが渡したのは...長めのサバイバルナイフくらいの短剣と、最低限の装備だった。そしてハオも、餞別を渡す...。その餞別とは、対魔力加工の魔術付与ととコーディングのされたスローブであった。


「ハオ...どうせシスターからの出資金ほぼ使ったろ、笑」


「あっはは、バレたか...あっ!でもでも!15$xは残ったぞ!」

 ※$x...この世界の通貨単位で、「ドルクス」と言う。


「おぉすごいな、笑俺は…使よ。」


「え…」


 ルイスは本当にハオを慕っていた。ルイスはハオと違って冷静で、物静かで一見弱そうだけど確かな強さがある。そんな冷静な性格のルイスが、自分のために持ち金すべて使ったのだ、所詮餞別なのに。


「じゃぁ、行くか。ちゃんと見てくれよ?」


「………おう!」


 続く

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