※読み合い企画からのレビューです殺人事件をモチーフとしたコミカルな作品だと思って読み始めたのだが、上司のダジャレに笑うことを強要された部下が精神的に追い詰められて殺人を犯す物語だった読む前には「ダジャレ如きで」と軽んじていた自分が情けなく思えるほど、部下が追い詰められていくさまがリアルに表現されており、パワハラについて考えさせられる一作となっている「相手の嫌がることをしない」──そんな簡単なはずのことを、私たちは遵守できているのだろうか?
タイトル通り「ダジャレ殺人事件」と呼ぶ他ないほどに、ダジャレのせいで生じた悲劇的な事件の物語でした。殺意が生じる過程が丁寧に描写されており、それがある種の笑いを生みながらも、殺意に納得させられるほどの説得力がありました。