第3話 今日からお前らと一緒にこのクラスで学ぶことになった

「俺はタカシ、鷹岡タカシ。仮の名だ。今日からお前らと一緒にこのクラスで学ぶことになった。よろしく頼むぞ」


 俺が配属されたのは1年S組。特待クラスという特待生のみが所属を許されるクラスだ。

 特待生というからには、さぞかし特殊な能力を持った生徒たちなのだろう。

 そして俺の目に入る限り、このクラスには女子生徒3人しかいない。(不可視の能力を持っているなら別だが)

 人数が少ないということは、エリート中のエリートということだ。一応期待しておこう。


「あの~」


「なんだ?女子生徒Aよ」


 女子生徒が俺に話しかけてきた。名前はわからない。


綿梨わたなしっす。タカシさんの横にいる小さい女の子は何者っすか?」


「彼女はヘンリエッタ。俺の妹だ」


「へ~、そうなんすね。妹さんも編入っすか?編入生は一人って聞きましたけど」


 なるほど、妹は編入生ではなかったのか。

 すると横に立っていた若い女教師も口をはさむ。


「あえて何も言わなかったけれど、妹がいるとは初耳ね。そして妹同伴で登校するとは、どういう了見なのかしら?」


「朝起きたら妹がいた。妹が一緒に来たいと言ったから来た。それだけだが。そうだよなヘンリエッタ?」


「そうだよ、おにいちゃん。わたしはヘンリエッタ。おにいちゃんの妹です。よろしくおねがいします!」


 ヘンリエッタはぺこりとお辞儀をする。礼儀正しくて素晴らしい妹だな。


「よろしくっす!」「よろしくね~~♪」「ふんっ!」


 女子生徒3人がそれぞれ挨拶を返した。


「いや、意味が分からないのだけれど」


 そう言って、頭をかかえる女教師。


「特待クラスは私服が許可されていると聞いたが、ならば妹は私服のようなものだ。それで問題ないだろう」


「わたしはおにいちゃんのアクセサリーだよ!!!」


 そう言うと、妹は俺の腕に抱きついてきた。


「……いや、ぜんぜん問題なくないけど。あなたは一人暮らしって聞いているのだけれど。まるで意味が分からないから後であなたの保護者の研究所に確認しておくわね」


「別に好きにすればいい」


 妹は間違いなく俺の妹だ。誰が何と言おうともな。


「とりあえず席についてもらえるかしら?ヘンリエッタさんは私の椅子を使っていいわ」


「ありがとうございます!!!先生!!!」


 深々とお辞儀をする妹にちょっと戸惑う先生であった。

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