第2話

第2章 秘密

私が、初めての仕事で、異形を成し遂げたことは、町の人他にも広まっていた。

社長室に呼ばれドキドキしていた。

「これからも頼りにしてますよ!」

予想外の言葉に戸惑ったが

「はい!頑張ります」

笑顔で答えた。

社長室を出ると1通の無線が入っていた。

私は、勇気をだして無線をとった。

「はい!特別捜査部隊本部です。どうしましたか?」

少しよそ行きな声にびっくりした。

「あのーママと遊園地に来てるんだけど一人でトイレ行ってたら戻ると集合場所にいなかったの!係員さんに聞いたら、黒いお面をした人と一緒に車に乗ったって」

可愛い声の少女だった。

「名前は?」

「春川胡桃」

先輩に言いに行くために少し無線を切った。

「先輩誘拐事件です。」

「場所は?」

「分かりません」

もう一度無線を取ると

「場所は仙台市潟上パーク」

声は、不安に満ち溢れていた。

「わかった今からそっち向かうね!」

私は、気づくと真剣な声になっていた。

「場所は?」

いつもよりも真剣だった。

「仙台市潟上パークです。」

私も真剣だった。

女の子と集合しようと言っていた場所に、女の子の姿をなかった。

無線を使って電話をつなげてみたがあの子は電話に出なかった。

「胡桃ちゃーん」

大きな声で叫んだ。

「お姉さーんごめんなさい無線を落としちゃって。」

すぐに見つかった。

「全然大丈夫だよ!それよりお母さんを一緒に探そう!」

優しく答えた。

「うん!」

すごく不安そうな声だった。

「先輩これ付けてください」

小さな声で耳打ちをした。

「うん」

思っていたより力強い返事だった。

少女は、まだ携帯を持っていなかったので、犯人との交渉は、イヤホンを繋げることにした。

「胡桃ちゃんこれ耳につけて」

「かかってきた。聞こえない。もう少し音量をあげてもらってもいいですか?」

「はい!」

「ありがとうございます。」

犯人の声が聞こえる。

「5時までに現金200000用意しろ。制限時間は、90分だ!遅れれば人質の命は無い。」

声は音声を加工したような声だった。

「先輩聞こえますか?2時間で、200000なんて無理です。」

私は、ほとんど諦めかけていた。

「そうだな。打つても無さそうだな。」

先輩は、悔しそうな顔をしていた。

「お母さん死んじゃうの?」

泣きそうな声だった。

「大丈夫!必ずお母さんを助け出すから。」

「うん!約束だよ」

嬉しそうな声をしていた。

「先輩電話の向こうの音聞こえないですかね。」

私は、ひらめいたような声出した。

「それなら犯人に築かれずに場所を特定出来る。」

希望を持った声をしていた。

「次の電話がかかってきたら作戦決行です。」

年密な計画をたてた。

「でも200000円用意しないと。人質が」

私は、すごく不安だった。

「お金は、集められる分は集めましょう。200000円集まらなくても、行ける気がする。」

希望に満ち溢れていた。

「そうですね」

この時は、まだ集められると思っていた。

「お姉さん私友達いないの、親戚からもおじいちゃんとおばあちゃんからも縁を切らわてるの。お金貸してくれそうな人は、居ないなー」

申し訳なさそうだった。

「そっか、良いよ。一緒にお願いしに行こう。」

私は、無理に笑った。

「うん!」

笑顔だった。

「胡桃ちゃんトイレわかる?」

「うん!」

「トイレで集合しよ。」

力強い声になっていた。

「胡桃ちゃーんこっちだよ。」

「お姉さん行こ!」

楽しそうだった。

「まずおじいちゃんの家に行ってみよう。」

自分が、 不安になったのがわかった。

「うん!貸してくれるかな」

不安そうな顔をしていた。

「おじいちゃん苗字は?」

「内宮正二郎(うちみやしょうじろう)だよ!」

ニコニコで答えた。

「ここであってる?」

「うん!」

少し不安そうだった。

「ピンポン押していい?」

優しく聞いた

「良いよ!」

優しく答えてくれた

「ピーンポン特別捜査部隊の内山です。」

「はい。今開けます。」

警戒していた。

「どうぞ」

まだ警戒していた。

「春川さんが誘拐事件に巻き込まれたので200000円必要なんです。少しお金を貸してくださいませんか。」

優しく聴いた。

「あいつとは縁を聞いている。お金を貸す気はない。申し訳無いですけどお引き取りください。」怒ってる顔をしていた。

「突然押しかけてすいませんでした。お邪魔しました。」

私は、軽くお辞儀をすると内宮さんの家を後にした。

ちらりと腕時計に目をやると制限時間まで後60分を示していた。

その後も春川さんの親戚などに向かったがお金は、集まらなかった。

最後の家を出たあと腕時計は、後30分をしめしている。

これ以上お金を集める時間がないためダミーのお金を用意した。

「これ犯人の人に用意したお金ですって言って渡してね!」

渡す時違えてしまわないように何度も教えてあげた。

電話がくるまで後1分。

電話がかかってきた。

「電話の外の音聞こえますか?」

「聞こえてる!」

真剣な声だった。

「約束の時間だ金は用意できたか?」

何故が今回は、普通の声で電話の外の音も聞こえやすかった。

「金属を叩く音鳥泣き声もしかして山浦の倉庫。」

私は、思い出した。山浦の倉庫の近くで金属を生活用品に変える店があった。

「先輩監禁場所分かりました。山浦パークの倉庫です。」

はっきりと答えを告げた。

「行ってみよう。」

私を信じてくれたみたいで嬉しかった。

やっぱり犯人は、倉庫にいた。人質は、無事救出することが出来た。犯人は、手錠をかけても暴れずにその後も素直に罪を認た。

潮見先輩は、私を優秀な刑事と言うが私は、そんなに褒められる人じゃない。だって私は、誰にも話したことの無い本当に警察官になった理由を秘密にしているから。理由を聞かれるまでは、黙っていようと心にちかっている。

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