2章2の1
2
机に置かれた
わからない、わからない、わからない。何がいけなかったのかわからない。
お師匠が授業を取りやめてから五日が過ぎていた。
「あー、ダメだわ」
「
「はい、母上。どうぞ」
もう一人の母は、
母上が、おいで、おいで、と手招きをして
ガバッ!
母上が急に
「何ですか! 母上、突然に」
「何って、
そう言って母上は
「わたしはもう十五です! 子供じゃないんです!」
「十五だなんて、当然知っているわよ。あー、よしよし」
今度は
「だ、か、ら、わたしは子供じゃないんです!」
「いいじゃない、
「あー、母さまもお
「母上、まさかわたしに
「そんなわけないじゃない。
「なれば、要件をわたしに伝えなければいけないんじゃないですか!」
「あっ、そうだったわね」
母上はやっと頭をなでる手を止めた。もう髪はぼさぼさである。
「
「えっ!
「ええ、それで呼びに来たのよ」
兄、
「
「まだ表で荷をほどいているわ。さぁ行きましょう」
……。
「あの、母上」
「なあに、
「放してくれなきゃ歩けないわ」
「そうだわね」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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