第3話 忘れたくない
奈津が「ね?正。私さ?やっぱり大亮の事を好きだったかもしれない」と正に話し掛けた。
正が「今更何?今、大亮は亡くなっちゃって、居ないんだよ」と奈津に声を掛けた。
奈津は「ん〜、そうか。大亮、もう居ないんだよな」と上の空を見上げた。
正が「そうだぞ?大亮の事を好きなら、あの世で幸せになってねって願えよ」と奈津に声を掛けた。
奈津は自転車に乗って、大亮が埋められている墓地に花とお菓子をお供えした。
奈津が「ね?あれから、正とあんたの事で話をして居たよ。あんたが亡くなってから、私も正も寂しくって辛かったよ」と返事をした。
墓地には、お線香の匂いが、やわかに匂って来ていた。
饅頭と団子をお供えして、水を掛けた。
お墓には、家族で来る人や、傘をさして、線香をお供えして帰って行く姿が見えた。
段々、寒い風が一風吹いて、傘をさして帰ろうとした。
正が「あれ?こんな所に奈津居たのか?」と呆然とその場で奈津と目が合った。
奈津が「悪い?私は、やっぱりたまには大亮と付き合って居たから、線香を上げに来たかった」と正に返事を返した。
正が「そうか?やっぱ、そうだよな?」と奈津の返事に一喜一憂をした。
奈津が「それ、大亮にあげようと思ったの?」と新しいお花を持って来た。
正が「あぁ、アイツは秋桜が好きだったからな」と秋桜を墓に供えた。
遺影の中にいた写真には大亮の満面の笑みが溢れて居た。
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