第2話 大切なあなた

奈津が「大亮。何で、あんたが死ななきゃならなかったの?」と泣いていた。

大亮は目をつむったまま、眠りにつくようにして白粉をつけていた。

奈津は「あんなに笑ったり、いつだって一緒にいたのに、どうして大亮は行っちゃったの?」と死んでしまった大亮に涙を流していた。

正が「しょうがないさ。俺にも大亮のことを守れなかった。すまない」と奈津に謝った。

どこからか「奈津、ごめんな」と謝る声が聞こえて、あの世に行ってしまった。

奈津は大亮の手が冷たくなるのを感じていた。

奈津が「大亮。私、あんたが居なくなったらどうやって生きていけばいいの?」と大亮に涙を流していた。

大亮は、その後葬式場で、葬儀を挙げて、遺体を焼いた。

正が「俺も大亮の事が好きだった。でも、先に亡くなってしまったお前の分まで生きるからな」と声を掛けた。

奈津は最後に「私、あんたと笑って食事をしたこと、あんたに笑って話していたことも全部忘れないよ。いつかあんたのことを忘れなきゃいけないの分かっているけど、私は、いつかあんたよりも幸せになって生きていけるように頑張るからね」と涙が頬を伝っていた。

大亮が遺影でニコッと笑っているのを、ジッと見つめていた。

奈津は「大亮、今頃何をしているんだろう?」と遺影を見つめて、外の景色にふけっていた。

正が「もう、そんな所にいないで、外に出てどっか美味しいジュースを飲みに行こうぜ」と奈津の家にやってきた。

奈津が「そうは言ったって、大亮を亡くした喪失感は、どこに行っても晴れないのよ」と一つだけ溜息を吐いた。

正が「良いから早くしないと店閉まるだろうが」と奈津の腕をぎゅっと握ったままカフェに連れて来た。

奈津が「ここ、シラタマ。このお店は一回見たことあるね?確か大亮と一緒に来たカフェだ」と懐かしそうに店内を見回った。

正が「良いから、此処でご飯とコーヒー頼んで、おかず選べよ」とメニュー表を広げた。

奈津が「じゃ、このサンドイッチ頼もうかな」とサンドイッチに手を掛けた。

正が「わぁ~、俺もそれ頼もうかな」と楽しそうに奈津に話しかけた。

奈津が「どうせ、お金を払うのは私でしょう?」と正を横目で睨んだ。

正が「何で分かったんだよ」と悪戯いたずらな笑顔を見せた。

奈津が「だって、私のお金を頼っていたりしそうだもの」と正のズバリな気持ちを当てて楽しそうにしていた。

正が「わかったよ。お金を半分出すから、これでチャラにしてくれ」と奈津にお金を渡した。

奈津が「サンキュー。私だけが出すんじゃなくて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

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