第6話 理解できないよ

 昼食を食べ終えて、蕎麦屋から出ると……幼馴染の早紀が提案をしてきた。


「このまま帰るより、何か遊んでから帰らない?」


 何か遊んでから帰るねぇ……。つうか、早紀と咲茉は今日帰るよな? まさか、明日も休日だから今日も泊まっていくつもりじゃないだろうなぁ……。


 俺はあくびをすると、提案をしてきた早紀のことを見た。


「どこか行きたい場所があるのか?」

「これと言って、行きたい場所はないんだよね~。妹ちゃんと元カノさんは、どこか行きたい場所ある?」

「「遊園地!」」

「あら、意外と気が合うようね。私たち……」

「そのようですね」


 今から一番近くの遊園地に行くとなると、ここから徒歩で駅まで向かって1時間ぐらい電車に乗ることになるが……まあ、せっかくの休日だし遊ぶのも悪くないな。


「私も遊園地に賛成だけど、大ちゃんはどう思う?」

「いいぞ。それじゃあ早速、遊園地に向かうか」

「「「うん!!」」」


 俺たちは駅まで徒歩で歩いて……駅に到着した俺たちは、快速の電車に乗って遊園地へと向かうのだった。


☆★☆★


「ジェットコースターにメリーゴーランド、コーヒ-カップに観覧車……たくさんのアトラクションがある! お兄ちゃん、まずはどれから乗る!?」

「興奮しすぎだぞ、優芽」

「大ちゃんとの遊園地デートを楽しまないと!」

「勝手に遊園地デートに変換するなよ」

「夕日が出ているときに観覧車の中で大輝にキスをされる……あ~! もう想像しただけでイッちゃいそう!」

「コイツは……もう無視でいいや」


 久しぶりに遊園地に来たなぁ……。俺の記憶が正しければ、最後にこの遊園地に来たのは小学校低学年の時だ。家族全員で来たのを憶えている。


 こう見えて、俺はジェットコースターが得意じゃない。急降下した時の感覚が苦手で、身体が浮かびそうになるのがとっても嫌なんだ。ジェットコースターで気分を悪くしたことはないが、自分から乗ろうとは思わない。


 ジェットコースター以外ならなんでも乗れる。コーヒーカップはたくさん回しても気持ち悪くならないし、目が回らない。空中ブランコは空中で回るだけだから大したことない。俺は別に高所恐怖症じゃないからな……。


「まずは何に乗る?」

「「「ジェットコースター!!」」」

「…………えっ」


 おいおい、ちょっと待ってくれよ!? 遊園地に着いて初めに乗るアトラクションがジェットコースター!? 初っ端から加速しすぎやしませんかねぇ!!


 え~、ものすごく乗りたくないんだけど……。だけど、俺がジェットコースターに乗らなかったら3人は残念そうな表情をするだろうし……そうなったら、とても気まづくなる! 


 3人は本気で遊園地を楽しもうとしているんだ。それを俺の……一人の意見でぶっ壊してはいけないだろう。周りの意見に合わせて我慢することも大事だ。


「ちなみに、ジェットコースターを乗り終えたら何を乗る気だ? あっ、まだ決まってな――」

「「「また同じジェットコースターだけど……」」」

「…………はい?」


 いやいや、ジェットコースターを乗った後にまた同じジェットコースターに乗るの!? どういう考えを持ってそのようなことを言っているのか、俺にはノットアンダースタンドなのだが……。


 普通は他のアトラクションに乗る物じゃないのか? それで全てのアトラクションを乗って制覇するのが遊園地での遊び方だと思っているが……そう思っているのは、俺だけなのだろうか……。


「2回ジェットコースターに乗ったら、次は何に乗る――」

「「「また同じジェットコースターだよ」」」


 俺は開いていた口が塞がらず、3人のことを目をパチパチさせながら見つめる。


 俺は間違えた選択をしてしまったのかもしれない。コイツらと遊園地に来てはいけなかった……俺とコイツらとでは考え方が違いすぎる! いや、間違えた選択をしてしまったのではなくて、してしまったのだと思う。


 これからジェットコースタのループ地獄が待っていると思うと、なんだか身体が震えて歯がガクガクしてしまう。寒いわけではないのに……。


「そ……それじゃあ乗ろうか……」

「「「うん!!」」」


 4人のうち、3人は笑顔で歩き出し……1人は顔色がとても悪かったのであった。


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朝起きたら、裸で寝ている妹と幼馴染と元カノがいた~誰が嫁になるかで修羅場と化しました~ 髙橋リン @rin0419

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