第4話 触るんじゃねぇよ

 トイレから出ると、3人は待ってましたという表情で俺のことを見る。


 本当に嫌だぁ~、ちんこ見せたくないよぉ……


 俺は頭を掻きながら、ため息をついた。


「お待たせしました」

「大ちゃんのちんちんを見るのは、幼稚園の時以来ね! あの時は一緒にお風呂に入って――」

「その時はまだ、大輝のちんちんは……その……皮を被っていたの!?」


 なんて質問をしてるんだ、咲茉ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!


 つうか、幼稚園児でちんこの皮が剥けている奴はいないと思うが……俺が知らないだけで、いるのか? この世界には幼稚園児でちんこの皮が剥けている奴が……。


「ポーク○ッツのような長さの形をしていて、皮を被っていたと思う」

「私はお兄ちゃんのちんちんを見たことがありませんが……お兄ちゃんがお風呂に入っている間、お兄ちゃんが洗濯機に入れたパンツを取り出して……満足するまで匂いを嗅いでます」

「「うらやましぃー!!」」


 どこがうらやましいんだよ……ただの変態じゃねぇか。優芽がそんなことをしていたとは……なんだか俺の知っている優芽ではなくなっていくのだが。


 優芽は家事ができて思いやりのある優しい妹だと思っていたが……実際は、兄のパンツを嗅いでいるド変態だったと。


 まさか、そんな妹だとは思いもしなかったよ!

 お兄ちゃん、失望しちゃった!

 頼むから、これ以上ド変態にはならないでくれ!


 ――妹にドン引きなんかしたくない!!


 だが、時すでに遅し。俺は優芽の言葉を聞いて、ドン引きをしていた。


「大輝、早くちんちんを見せてよ!」

「大ちゃんのちんちん、どうなっているのか気になる~!」

「お兄ちゃんのちんちんが見れる……興奮しちゃいますっ!」

「ここで見せるの?」


「「「もちろん!」」」


 俺のちんこを見たって何もいいことは起きやしないのに……本当にどうしちまったんだ? この3人は……。これが夢ならよかったのに……現実だからなぁ。


「じゃあ、見せるぞ」

「「「うん!」」」


 俺は意を決すると、ズボンを脱ぎ……黒のトランクスを脱いで、ちんこを見せた。陰毛が生えており、ちんこの皮は剥けていて亀頭が丸見えである。勃起はしていないので、ちんこの長さはそこまで長くない。


「これが……お兄ちゃんの……」

「大ちゃんのちんちん、ポーク○ッツじゃなくなってる……」

「毛が生えていて、皮を被ってないわ」


 美術館で展示されている作品を見て、コメントを言っているように聞こえるが……3人が見ているのは、高校二年生のちんこなんだよな。それと、あまり触れていなかったが……ポーク○ッツと比較するんじゃねぇよ、俺のちんこを……。


 俺は高校一年生の時に、ちんこの皮が剥けて包茎を卒業した。初めて見たときは、なんて言うか……キモッ! って思ったけどな。


 俺は3人にちんこをいつまで見せればいいのだろうか? 


「もういいか?」

「「「ダメ!!」」」


 ダメって言いたいのは、俺の方なんですけど……。


 3人は俺のちんこをじっくりと見つめて、色々な角度から見ている。俺のちんこは観賞用のフィギュアじゃねぇつーの! あー、ここの角度で見るのが一番ベストだな~とかないから!!


 マジで何してるんだよ、俺たち……。


「もう満足し――」

「大ちゃんのちんちん、ちょっと触ってみよッ!」

「「私も触りたい!!」」


「えっ……?」


 俺は3人にちんこを触られ、勃起をし――喘ぎ声を出してしまうのであった。


☆★☆★


「大ちゃん、お昼ご飯は外食にしよッ!」

「……もうなんでもいいよ」

「やった~!」


 現在、俺は疲れきった表情でソファーに座っている。


 俺の足の上には妹の優芽が座っており、両隣には幼馴染と元カノが腕に抱きついている。俺はラノベの作品でよく見るハーレムの主人公ですか?


 ちんこを触られ、勃起をしてしまい……ちんこが大きくなってしまったときは、3人は同時に「おー!!」と不思議そうな表情で感心してたよ。


 見せるとは言ったけど、触ってもいいなんて一言も言ってませんけどぉ!!


 イかずに済んだのは幸いだったが、あれでイっていたら色々とカオスになっていたからな。よく我慢できた、俺のちんこ。


「大輝は何食べたい?」

「お前らで決めてくれ。俺はなんでもいい」

「私たちのことを思って、そう言ってくれているのね! あ~、子宮が震える!」

「お兄ちゃん、大好き! セックスしよ!」

「私はいつでも大ちゃんの子供を産む覚悟はできてるよ!」

「お前らは何を言っているんだ? マジで理解できん」


 頭のおかしな元カノに、頭のおかしな幼馴染……そして、頭のおかしな妹。やっぱり3人とも、精神病院に入院させて頭を冷やした方がよさそうだ。もちろん、一般病棟ではなく……隔離部屋で。


 こんなにも3人の頭がおかしくなったんのは、昨日の俺が原因なのか? いや、でも……優芽はこっそり俺のパンツを嗅いでいたわけだし。それじゃあ、早紀と咲茉はどうして俺のことが好きになったんだ?


 さっぱり分からない……俺のことを好きになった理由が。


 いつか、聞かないとだな。3人が俺のことを好きになった理由を……。


 俺は深呼吸をすると、3人の顔を見る。


「飯、食いに行こう」

「「「うん!」」」


 俺たちは外出の支度をして、家を出たのだった。

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