第2話 白い月
夕茜達との思い出とご飯。
何で目が合った瞬間に夕茜は赤面したんだろう?と疑問が湧く。
考え込んでいると
「日凪どうしたの?」
気付いたら夕茜が座ってる。
「えっと、何でもないよ。」
彼女が「心配。」と言いながら眉尻を下げたのを見て、耳を垂れさせシュンとしてるワンちゃんに見えてキュンとする。
「だ、大丈夫だよ。」
「良かった。」
夕茜の頭の上に手を伸ばしそうになり手を引っ込める。
彼女がアルバムを開いて保育園の頃の写真を一緒に眺め始めると、
青衣に抱きついてる夕茜と彼女に照れてる青衣、それと夕茜にくっついてる私。
「青衣......。」
「ゆ、夕茜。」
まずいと思い、保育園時代の写真のページから慌てながら捲る。
「夕茜、高1の体育祭の時の写.....!」
夕茜を元気付けようとして言いかけながら絶句する。
この写真!
私がリレーのアンカーで走ってる時、青衣と夕茜が応援席で手を繋いでる写真!!
確か、小1の頃からの幼馴染の柚菜が撮った。
夕茜と青衣は同級生達公認の仲だった。
一部の同級生達は"日凪と夕茜のコンビが好き!“って言ってる子達も居たけど。
夕茜が元気無い。
アルバムを閉じようとしたら彼女の両手と私の手が重なる。
顔が火照ってる。
「日凪元気無い......。青衣と私が一緒に写ってる写真を見てから」
「そんな事無いよ。」と返すと、夕茜がさらにぎゅっと握ってくる。
「本当?」
両手を離し、私を抱きしめてくる夕茜。
「うん。ゆ、夕茜、大丈夫だから」
部屋の窓に淡い青と繊月。
「夕茜。」と声を掛けたら彼女が離れた。
「日凪、急にごめん。」
「ううん。」
「夕食作る。」
「うん。」
夕茜に抱きしめられるなんて。
アルバムを見て高1の頃に青衣と夕茜が夏に付き合い始めたのを思い出す。
大切な幼馴染だからと夕茜への気持ちを隠し、
社会人になってからも相談に乗っていた。
泣き顔の彼女を抱きしめては、夕茜の恋人になりたいと思って泣いてた。
彼女の事が気になってチラ見すると、
楽しそうにキーマカレーを作っている。
良い香り。
夕茜の料理を作ってる表情にもときめく。
いい加減、夕茜への気持ちに決着を着けないと。
いつの間にかキーマカレーが出来てたらしく。
「日凪、出来た。」
彼女に話しかけられてはっとする。
夕茜が、キーマカレーが盛り付けられたお皿とグリーンサラダが盛り付けられた皿を1人で運ぼうとしてる。
「手伝う。」
「ありがとう。」
「いえいえ。」
ん?夕茜の顔が真っ赤になってる。
何で?
『いただきます。』
「夕茜、キーマカレーとグリーサラダ美味しいよ!」
「本当?」
「うん。そういえばさっき、夕茜顔が赤かったけど体調大丈夫?」
「た、体調は大丈夫。」
顔がまた真っ赤になっててキュート。
触れたい.....。
じゃなくて。
「良かった。夕茜、無理しないでね」
「うん。」
『ごちそう様でした。』
立ち上がり、空いた食器やコーヒーカップを2人で持って一緒に洗う。
片想いなのに夕茜に触れたいなんて。
「夕茜、隣に座ってもいい?」
「う、うん。いいよ」
夕茜の頬がちょっと赤い。
包み込み、抱きしめて「夕茜.....。」と耳元で囁く。
「......っ日凪、そろっとお風呂に入る?」
照れてる?
「うん。」
「お風呂沸かしてくる。」
「うん.....。」
夕茜に避けられた?
「日凪。」
「わっ。ゆ、夕茜」
頭を撫でてきて彼女が私の頭から手を離して
浴室へ向かう。
夕茜が青衣と別れた日の事を思い出して泣きそうになってるのに気づかない私はスマホを見る。
月舞に連絡しなきゃ。
[月舞、もし良かったら今度]と打ってたら
夕茜が戻ってきた。
「夕茜、隣に座ってもいい?」
「う、うん。いいよ」
夕茜の頬がちょっと赤い。
包み込み、抱きしめて「夕茜.....。」と耳元で囁く。
「......っ日凪、そろっとお風呂に入る?」
照れてる?
「うん。」
「お風呂沸かしてくる。」
「うん.....。」
夕茜に避けられた?
「日凪。」
「わっ。ゆ、夕茜」
頭を撫でてきて彼女が私の頭から手を離して
浴室へ向かう。
[月舞、もし良かったら今度]と打ってたら
夕茜が戻ってきた。
リビングの扉を閉め、私の隣に腰掛ける夕茜。
彼女の温もりが体を熱らせる。
「日凪、先にお風呂に入る?」
「いいの?」
「うん。あとで入る」
「じゃあ、先にもらうね。」
「うん。バスタオルと着替え、籠の中に置いてある」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
立ち上がりお風呂場へ向かう。
夕茜といると落ち着くし、月舞と付き合ってた頃よりも楽しい。
そろっと上がらなきゃ。
猫耳の淡いブラウンのパーカーのセット。
「夕茜、お風呂ありがとう。」
「いえいえ。私も入ってくる」
「うん。ドライヤー借りてもいい?」
「いいよ。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
夕茜の裸を想像して体が熱って落ち着かない。
ドライヤーを掛け、リビングへ向かう。
夕茜が戻ってきた。
「夕茜、ドライヤーありがとう。」
「いえいえ。」
白い肌と薄いブラウンの髪、くびれが際立って理性が飛びそう。
彼女の髪をかけて「夕茜、私とラブラブする?」と囁く。
「っ!ラブラブしない。」
「そっか.....。」
「日凪、寝室に移動する?」
「うん......。」
移動して夕茜がベッドの下に布団を敷き、布団の中に入ると夕茜が電気を小さくした。
「日凪おやすみ。」
「夕茜、一緒に寝てもいい?」
鼓動が早くて顔が熱くなってくる。
「いいよ。」
布団と敷布団を畳み、ベッドの上に上がって布団に入る。
夕茜にくっつきたい。
彼女の方を向いて右手を添える。
我慢出来ない!
夕茜のほっぺを撫ぜる。
甘い雰囲気。
「......っ。日凪、見て.....白い月」
「白い月?」
「うん。」
「ほんとだ。」
「夕茜......。」
「ん?」
再び夕茜の頬を撫でる。
「可愛い。」
「......っ!」
月光で彼女の表情が見えて、いつもと違う雰囲気の夕茜にときめく。
「夕茜の事が好き。」
「え?」
「......幼馴染として。」
「あ.....私も幼なじみとして日凪のことが好き。」
夕茜が頬からそっと離す。
「夕茜ごめんね。」
彼女が撫でてくる。
「!怒ったのかと思った.....ってゆ、夕茜?」
頭を撫でてた手を夕茜が私の頬まで下ろす。
恥ずかしくなってくる。
「ごめん。」
夕茜が手を離そうとして彼女の手を優しく握る。
「離さないで。」
「.....っ。」。
「日凪。」
「ん?」
「日凪って好きな人いる?」
「うん。居るよ」
「そうなんだ。月舞さん?」
「違うよ。」
「そう。月舞さんとラブラブだったのに?」
「夕茜.....。」
「おやすみ。」
「おやすみ......。」
彼女に月舞が好きだと思われてる。
ーーー
「ん......。夕茜」
ん?
夕茜が私の唇に重ねてくる。
「んっ。はあ.....っん」
!
夕茜の舌!?
「ん.....。日凪おはよう」
「おはよう.....。」
彼女が状況を察したらしく頬を桜色に染める。
「ごめん。」
「ううん。」
「日凪、朝ご飯食べてく?」
夕茜とまたキスしたい。
「え?あ、朝ごはんまで申し訳無いから」
「分かった......。」
「夕茜、1人で大丈夫?」
「うん。大丈夫、日凪ありがとう」
「いえいえ。」
夕茜と一緒に着替える。
「夕茜、昨日はありがとう。」
「いえいえ。日凪」
「ん?」
「今度いつ空いてる?」
「水曜日が空いてるよ。」
「じゃあ、水曜日、駅の近くのbloomで一緒にご飯でもどう?」
「いいよ。何時にどこで待ち合わせする?」
「11時に駅前のロータリーで待ち合わせで。」
「分かった。またね」
「うん。またね」
夕茜に伝えなきゃ。
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