第3話
「はぁ~・・・癒されるぅ~」
毛がもっふもふのラグドール猫 チャップ。
毛長種で体格も大きいこの子のお腹に顔を埋めてモフりたい…。
と毎朝のように窓に張り付きながら思ってしまう私は生粋の猫好きだ。
しかし、それは叶わない。
この猫部屋に入ることができるのはお世話係の職員と商品企画及び開発に関わる人のみだ。
昨今のウイルスへの脅威も相まって接見は厳しい。
人から飼い猫への感染も認められた例もあるらしい。
そういう事情もあり、営業部に配属された私は気軽に入室は出来ない。
でも全くないわけではなく例外はあるけどね。
自社の商品を知るため猫様を使った研修はチラホラ入るらしいのだが年に数回程度しかないとのこと。
すなわち、私にとってはとても遠い存在の猫様なのだ。
「大袈裟な。まるでアイドルじゃない」
「ああ!それに近いかも!」
「…アホらしい。あんたは黙っとけば可愛いのに、それじゃほんと頭のおかしい子だわ」
千明ちゃんはいつもこんな感じ。
私はこの人に叱られる方が多い。
私を下に見ているのか、元々そういう人なのかは分からないけど。
それでも時間が合う時はお昼を一緒に食べる。
営業と経理課では中々時間が合わないけれど、こまめに連絡を取っているんだ。
私の話をいつもちゃんと聞いてくれるからって安心感があるのかもしれない。
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