第8話
「もう、タケ、聞いてるの?ボーっとしてるけど」
「――――人間味あふれる表情してる余裕なんてないです」
「もうそこから違うから、余裕があるから演技してるみたいに
「はあ・・・・」
また訳わかんないことを。
だいたい、顔=表情ってことを俺が知ってる前提になってるし。
「ちょっと訳わかんないって顔してるよ、バカにしてるでしょう?」
「―――言いがかりですね、していませんから」
「うっそだ、小首傾げてるもん。いい?ちゃんと感情のっけて叩くって、分かりやすい例え話あるから。ん~~、例えばぁ、夏の暑い日のビールとかさ、ぷっは―ってなるでしょ?無表情で真夏のビールをのむ人なんて居ないでしょ?」
「――――テレビでは見た事ありますけど…。実際やったことあるんですか?」
「いや、ないけどさ・・でも!あるでしょ?そういうの、わっかんないかな~?刑務所に入ってたヤーさんはさ、久々のジャバにでて最初に吸う煙草とか、ぷっは~ってなるでしょ?」
「―――まだどちらも経験ないんで、分かりかねます」
「もう~!冷静な返しだなぁ!せめて少しだけでもいいから笑ってよー!それかツッコんだりノッたりさ~。色々あるでしょ?」
・・・・笑って欲しかったんだ?
いやいや、そんな持ってきかたがレア過ぎんだろ。
そもそも、俺はそんなボケたりツッコんだりするキャラじゃないし。
でも・・・怒ってる先輩も可愛い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます