第6話
強豪校である吹奏楽部にしてみれば俺ら軽音部の出す音は彼らの邪魔になるらしく、遠く離れた学部棟に部室を構える形となっている。
今は使っていない旧教室が並ぶところだ。
引き戸から見える小窓からその人の姿をのぞき見するように見ていた。
今日もカッコいい。
それでいて嬉しそうにドラムを叩くから凄く可愛くもみえる。
一個上の斎藤先輩。
あれ、――――髪、巻いてる?
珍しい・・・。
最近髪が伸びてきたもんな…。
なんか新鮮で似合ってるけどさ、あんまり可愛くなってほしくないなぁ。
斎藤先輩の可愛さに惹かれる男が増えるのは嫌だ。
先輩の学年ではモテないらしいけど、一個下の俺らの学年は少し人気がではじめている。
俺の心声が漏れていたんだろうか?
斎藤先輩は手を止めて、俺の方を見て微笑みながらスティックを持ったままの手を振ってきた。
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