第16話リアムのステータスⅡ

 ボードがテーブルと平行になるように調整して、ステータスボードに出た『スキル所得:スキル魔法陣《魔法陣作成》』の文字の下に出ている《確認》を指で押すように触れる。ステータスボードに触れた感覚はまるでスマホの画面を触っているような感覚だった。そして ──


Name:リアム Age : 4 Gender : Male


- アビリティ -

 《生命力HP》523 

 《体力SP》448

 《魔力MP》19万2501

 《筋力パワー》 420 

 《魔法防御》1万9250

 《防御》420

 《俊敏》8

 《知力》25

 《幸運値》%?_#


 《属性親和》全属性


- スキル - 

《全属性魔法》

  《火魔法Ⅰ》《水魔法Ⅰ》《風魔法Ⅰ》

《雷魔法Ⅰ》《土魔法Ⅰ》《光魔法Ⅰ》

《闇魔法Ⅰ》《空間魔法Ⅰ》《回復魔法Ⅰ》

《無属性魔法Ⅰ》


《魔法陣》《魔法陣作成》《精霊魔法∞》

《複合魔法》《鑑定Ⅲ》


- EX スキル -

分析アナライズ》《しょ》《隠蔽》

《テイム》《自動翻訳》


- ユニークスキル -

《???》


- オリジナルスキル - 

《カスタマイズ》


- 称号 -

《転生者》《精霊王の寵愛ちょうあい》《???》



 そこには僕のステータスが記されていた。



『まずい・・・ッ!』


 色々とおかしなところはある。しかし僕が何よりも焦る理由・・・・・・《転生者》!


 父さん、母さん、カリナ姉さんは全員沈黙している。



 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・



 ステータスが明らかになってどのくらいの時間が経っただろうか。実際には数秒程だが、そう思ってしまうくらい時を長く感じた。



 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・



 やがて沈黙を破ったのは母さんだった。


「なッ・・・!何この魔力量!」


「おいッ!幸運値も変なことになってるぞ!」


 母さんの声で現実に戻ってきたように父さんも続く。


「属性親和全属性に魔法も全属性!それに精霊魔法もおかしなレベルなんだけどッ⁉︎」


 さらにカリナ姉さんもまるで上から順に読み上げるように父さんたちに続いた。


 その後3人は再び沈黙。開いた口をふさぐことも忘れ、その目が血眼になる勢いでステータスボードに食らいついていた。


 そして更に数秒後、母さんが魂の抜けたように動き出し、テーブルの椅子につく。それに続き、父さんとカリナ姉さんも席に着いた。


 母さんは額に手を当て、父さんは天井を見上げカリナ姉さんは下を向いて俯いている。3人とも僕からその表情を確認することができない。


「リアム・・・」


 真剣な声だった。少なくとも僕にはそう聞こえるほどに


 母さんが額から手を離す。


 僕はその仕草にビクッと震えた。


「すごいわ!リアム!こんな膨大な魔力に全属性。さらにEX スキルが複数に称号もち。オリジナルスキルなんて噂でしか聞いたことがないほど珍しいものよ!」


 身を乗り出して語る母さんに、僕は違う意味でたじろいだ。なんか既視感デジャヴ


「そ、そうだな。さすがはリアムだ。凄すぎて父さんビックリしたぞ!」


 やはりこの世界でも母が強いのだろうか。父さんも戸惑いつつ母さんに続いた。


『気遣ってくれてるんだろうか・・・』

 

 僕はその2人の変わりように驚きつつも、それを喜ぶように笑顔を見せる。


「ありがとう、父さん母さん」


 僕のお礼に3人も笑顔で答えてくれた。


「それじゃあ、その、リアム。とりあえず上からスキルの名前に触れていってくれるか?」


「?」


「ボードのスキル名なんかに触れることでそのスキルの詳細が見れるんだ」


 父さんがスキル名に触れること、またその説明をしてくれた。


「・・・わかった。やってみる」


 内心の不安を抱えながらも、父さんのいった通りにスキル名に上から順に触れていく。スキル・EX スキルは属性魔法欄を除き・・・


- スキル -

《魔法陣》:魔法陣を使用 描くことができる

《魔法陣作成》:既存の魔法陣以外に新しい魔法陣の作成を可能なスキル ある程度の知識が必要

《精霊魔法∞》:精霊を介して魔法を使うことができる レベルは引き出すことのできる力を表す

《複合魔法》:複数の属性を混ぜた魔法を行使することができる 複属性構築には注意が必要

《鑑定Ⅲ》:人や物を鑑定することが可能 レベルによって鑑定できる項目量が変動する 使用量・知識量によってレベルは変わる 


- EX スキル -

《分析(アナライズ)》:生物や物などあらゆるものの構造を調べる なお構造解析は可能であるが理解することができるかは使用者に依存する

《知(ち)の書(しょ)》:この世界の知を収めるもの 使用者の知識として内容をインポートすることが可能 また知識の付加が可能 ※進化可能スキル

《隠蔽》:様々な人・物・魔法を隠蔽することが可能 

《テイム》:魔物をテイムする才能 またその呪文

《自動翻訳》:あらゆる言語を自動的に翻訳する


といった感じだ。


 そして次はユニークスキル の《???》


- ユニークスキル -

《???》:???


 これに関しては説明も『???』で何もわからなかった。 


 ・・・ 

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・


 そして遂に《転生者》の番が来る。


 僕の指もそこで止まる。


「どうしたの?」


 突如指の止まった僕にカリナ姉さんが問いかける。そして指の止まった僕にカリナ姉さんは言葉を続けた。


「その《精霊王の寵愛》ていうの、早くみたいな」


「えっ?」


 あれ?転生者は?


 ・・・思わず出そうになった言葉を飲み込む。


『見えてない・・・?それともそこまで気を遣ってくれているのか?・・・いや、それはさすがにありえない』


 頭の中で答えの出ない自問自答を繰り返した。


「リアム?その・・・もし見せたくなければ・・・別にいいのよ?」


 母さんも心配するように声をかけてくれる。


「・・・・・・違う!大丈夫!」


 僕はとりあえずその場の流れに乗ることにした。そして ──


 



《精霊王の寵愛》

 精霊王の寵愛を受けしもの 浮気ダメ・・・これ絶対


「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」


 4人全員が沈黙する。すると、突然その意味不明な説明文の前に3つの影が飛び込んできた。


「ッ!・・・どうしたのあなたたち⁉︎」


 そこに飛び込んできたのは家族が契約している精霊たちだった。父さんとカリナ姉さんも「モグリ⁉︎」「フェアーリル!」と驚いている。

 母さんの妖精型火精霊『ブラサ』は背中に生えた羽でステータスボードの上を飛びまわり、父さんのモグラのような土精霊『モグリ』はボードに手をかけ覗き込んでいる。カリナ姉さんの精霊『フェアーリル』は一度精霊王の寵愛の上に止まったあと、向かい側、ひらひらとテーブルの空いている場所に飛んでいき、分体を作り始めた。


 「なに?フェアーリル?」


 すると、机の上にフェアーリルの文体たちが文字を描き出しす。


『浮気・ダメ・逃げる・これ』


 そこに描き出されたのは単語で構成された文だった。そして衝撃の事実。


「え・・・あなたたちがリアムから逃げる理由ってこれなの?」


 ものすごく阿呆らしい理由だった。すると何か?精霊の王のせいで配下に当たる彼らに避けられ、契約もできず精霊魔法を使えていないと・・・それって本末転倒じゃない?なにそれ?


「でも、なんでリアムの精霊契約の時にその精霊王?は契約にこなかったんだ?確か祝福の光も届かなかったんだろ?」


 精霊たちは説明が難しそうに、ただその場でくるくる旋回したりキョロキョロしているだけだった。


 ちなみに称号の《???》もユニークスキル同様、その説明欄は『???』だった。


ーーーーーーーー

一般的な6歳のステータス基準(成人)


- アビリティ -

 《生命力》500(1000) 

 《体力》500(1000)

 《魔力》1000 (1000〜5000)

 《筋力(パワー)》 500(1000)

 《魔法防御》100:魔力の10%)

《防御》500:筋力と同等

 《俊敏》10(15〜20)

 《知力》10(15〜20)

 《幸運値》10(15〜20)


 《属性親和》2〜3属性

  ※基本変動しない 追加属性の練熟度によっては例外あり


- スキル -(スキルLv共通:Ⅰ〜Ⅴ, (∞))

《2〜3属性魔法》

  《x魔法Ⅰ》

《精霊魔法Ⅰ〜Ⅱ》


- EX スキル -

《基準なし》


- ユニークスキル -

 《基準なし》

 

- オリジナルスキル -

《基準なし》


- 称号 -

 《基準なし》

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