妬みから轟沈
「それで?四月一日さんって何処までいってるの?」
昼休み、よっちゃんと妙ちゃんとお話していると、教室に来た余り面識のない先輩に、突然そんな事を言われた。
「どこまで?」
「キョウ君って人と付き合ってるんでしょ?デートする時は何処までしてるのよ?」
「キョウ君?キョウ君とは休みの日は遊園地や水族館やカラオケ店とか色んな所に行って、中学の時には私の家族とキョウ君の家族と一緒に北海道に行った事があるよ!」
「そういう意味じゃないわよ!」
言われた通りに何処まで行ったのか説明したのに、顔面真っ赤にした先輩に怒鳴り付けられた。
「?」
「澪ちゃん、先輩はチューやエッチした事あるか聞いてるの」
「ちょっ妙ちゃん!澪ちゃんに何言ってるの!」
「いや流石に澪ちゃんも子供じゃないんだから、高校生なんだからこういう話題をしても大丈夫よ」
「あー…ちゅーは私がまだ学生の未成年だからキョウ君が駄目だって」
「あら夫婦とか言われてるのに恋人同士がしている事すらしていないの、拍子抜けね」
「変わりに私の赤とピンクの花を週に1回位のペースで、食べてくれてるよ」
「ぶっ!!」
私がそう答えると先輩が噴き出して、口元を手で覆った。
「やだーロマンチックー!澪ちゃん意味知ってる!」
「うん、知ってる…」
「え?何時から?」
「私が小4くらいの時から…その時は理由を知らなくて、キョウ君が花を食べた事に吃驚したけど、恋の占い本で理由を知ってからスッゴくドキドキした」
「キョウ君ほんと男前~!」
「でっでも一方的に食べて貰ってるって事は、本来の花人としての本分を真っ当出来てないじゃない!」
「本分?」
「私達花人が半神・鬼人との結婚を義務とされてるのは相手と体液交換して、相手方の為の蜜を作って取り込んで貰う為にあるんでしょ?授業はちゃんと受けていて?」
「えーっと…」
「ただでさえ体育会系の鬼人・半神は力を付けやすいのに、更に雑誌に取り上げられて知名度を上げているのに、神格化していないのは可笑しいわ!活動が鈍らない様に花人からのお見合いが来ない訳ないじゃない!」
「ちょっと、つまりはあんたは何を言いたいの!」
「先輩、それはちょっと飛躍し過ぎ…」
「…あっ!それなら大丈夫だと思う、私キョウ君の角飲んでるもん」
先輩が何を言いたいのか分からなかったけど、心配している事に気付いて安心させる様に言う。
「え?」
「鬼人の角って滋養強壮の効果があるんだって、私のお母さんが体弱かったから、私は健康になる様にって誕生日にキョウ君の角を削って煎じて飲ませて貰ってるの。その上で私の花を食べてるから序でにキョウ君がどれだけ特訓しても、血の匂いが平気になるなーって言ってたから大丈夫だよ」
「えっ?えっ?えっ?澪ちゃん、キョウ君の角飲んでるの?」
「うん!お陰で私は元気いっぱいに過ごせてるよ」
「それって確か大昔だと婚姻の誓いになるのよね!やだー偶然とはいえもう結婚している様なものね~!」
「そ、そう…分かったわ。良かったわね恋人とラブラブで」
「うん!」
先輩はそれだけ言うと、教室を出て行った。
「キョウ君のファンで心配してたのかな?」
「あんたね…いや、もう私から言うことないわ」
「ねー澪ちゃんの恋バナを沢山聞けて胸いっぱいだもんねー」
「これ以上は胸焼けしちゃうわよ」
「?」
そんなに甘い話だったかな?恋人がするみたいなチューとか出来てないのに、でもそういう話を聞くと照れちゃうから、話す方になるとすっごく照れちゃうと思うからやっぱり良いや。
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