05 もやもやが広がりました

第22話

〈ユウ君、イケメンな上に家事もできて完璧〉

〈ヒナが羨ましい〉

〈ユウ君みたいな彼氏が欲しいな~〉


 ショート動画の再生回数も順調だった。

 よかった。これでユウタとの関係を続けられる。

 ユウタと再会したのは、半年前の事だった。不慮のトラブルに巻き込まれたわたしは、取引先へと走り回り、謝罪に明け暮れていた。全ての責任を押し付けられ、罵倒を浴びながら、まさにわたしはコネ入社しただけの使い捨て社員として働かされていた。

 取引先のビルの物陰で涙をこらえていた時、顔を覗かせたのがユウタだった。黒髪の、清掃員の姿で。

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