第4話 集落

 どれくらい歩いただろうか?「まゆ」とおしゃべりしながら楽しい時間を過ごす。頭の中では、ずっとこのまま続けばいいとさえ感じてしまう、、、、

何より「まゆ」のちっちゃい体でとぼとぼ歩く姿がとっても愛おしい、、今日のあなたはマジ天使ですか?


 そんなことを考えてると、ようやく森を抜けて、集落が見えてきた。なんだか、古めかしいさびれた村だな、、


 「島、あそこに人がいるよ!」

 「そうだね、ちょっと声をかけてみようか?」


 ようやく村についたことで、安堵しどこかで気が抜けていたんだろう、油断したと言った方が正解かもしれない。この時の行動に後々、後悔することになる。


 農作業をしている、年は30くらいで、目がぎょろっとした男に声をかける。


 「すみませーん!ちょっといいですか?」

 「なんだーてめぇーら、おのれらは妙なかっこを

 して、あやかしか!」

 「いやいや、俺たちは、ただの旅人です」

 「そんな言葉信じられるか!」


 その時、男はふところから笛を取り出し大きな音を鳴らす「びぃーーーびぃーー」それはあたり一面に響き渡り、、、村の人たちが一斉に集まってくる。


 「村の皆、こいつら、、あやかしだ」

 「取り押さえるんだ!」


 「ちょっと待ってくれ、、俺はただ、、、ゲホ」


 村の男の蹴りが脇腹にあたり、一撃で気絶した。野盗との戦いで霊力を使い果たし、霊力が使えなかったら島はただのデブ、抵抗むなしく、捕まってしまった。


「島、気がついたかえ?」

「舞姫か?意識が入れ替わったんだね」


 まゆの天使タイムが終了し、少し残念だが、

やむを得ない。ようやく意識を取り戻した島は、この場の状況を整理した。


 俺たち2人は「あやかし」と疑われ粗末な作りの「おり」に閉じ込められてしまった。


 「おぬし、何か策はあるかえ?」

 「一つだけ方法があるにはあるが、、」

 「もったいぶらず、はよう言え!」

 「残りの霊力を使って瞬間移動をする方法!」

 「ほぉー」舞姫は目を輝かせている

 「だけど、これを使ったら、あの時みたいに

 体が動けなくなるから、後のことは頼みます」

 「今の状況よりは良い、はようやってたもれ」


 嘘をついて、ごめん、そんな都合の良い呪文はないんだ、、、

 

 島は覚悟を決め、もてる力を全て振り絞り、霊力を何重にし練り込む。「オンキリ・ソワカ・オンキリ・ソワカ」「願わくば、、救いたまえ!」


 島の右手は強い光に包まれ、それを「舞姫」の肩に乗せる、、


 「元気でな、舞姫」

 「おぬしも一緒じゃないんかえ?」

 「2人分の力は、俺には、、、」


 舞姫は、、俺の手を振りはろうとする

 「いやじゃ、、1人はいやじゃ

 行くなら一緒じゃ、、」


 島は、ありったけの力で「舞姫」の腕をつかみ、離さない、、、かなうなら一緒にいたい、でもだめなんだ、また「まゆ」が傷つくと思うと俺は耐えられない、、そうして俺は最後の呪文を唱える。


 「また逢えたら、その時は、、、」

 「しまぁぁ」大粒の涙を流し、泣き叫ぶ、姫

 

 そして、まゆは時空のゲートに包まれ、姿を消した。この呪文は、いくつか制限はあるが、1人しか送りたい時代に飛ばせない、、それは、もといた時間、場所なら1回だけなら可能だ。


 本当は、すぐに送り返せたけど、ごめん、、もっと「まゆ」といたかった。これをすると、もう逢えないとわかってたから、、、


 そして、もてる全てを使い果たした、島は疲れ果て、その場で意識を失った。


続く

 


 

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【江戸編】恋愛スキル0のデブと麗しの君 2 しましま @ryuryu1864

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