第3話 膝枕

 深い眠りにつく、どれ位の時間をそうしていただろうか?とっても暖かい心が満たされていくようだ

そして、いい匂いがする、、甘くとろけるような、

なんともいえない匂いがする。そして、とって柔らかい物が頭に当たっていた。目を開けると「そこには、、まゆ」がいた。


「しま、起きた?」


 鼻息荒すぎて、キモがられてないかな??

 島の心配をよそに、、まゆは会話を続ける。


「全部見てたよ、まだ本調子じゃないんだから

 寝てないとだめだよ」


 助かったぁぁぁぁ、、ギリセーフ!ちょいと安心したら、野盗との戦いの疲れが一気に押し寄せてきた。

 

 今ちょっとまずいかも??てぇか?あれっ?まゆ、、、もとに戻ってる。まゆに心配かけたら駄目だと、、渾身の力で顔を引きつりながら、口角を上げる。「もう大丈夫だよ」


 まゆの膝の上で寝てたのか、、、ずっとそうして

いたいけど、まゆも疲れているのに、、、

名残惜しいが、そっと起き上がる。


「まゆ、どれ位、寝てた?」

「3時間位かな、、、」

 人生初の膝枕ありがとう!一生の思い出だ!

 そう言えば姫は、、どうしたんだろう??

「舞姫は?」

「ちょっと疲れたみたいで、今は私の中で

 眠っているよ」

「そっか、、怖い思いしたもんな」


 そして、ようやく落ち着きを取り戻し、まじまじ「まゆ」を見てみると、あれだけ深かった闇は消えていた。これが本来の「まゆ」か、、まじ天使のようだ、優しい雰囲気が辺りを癒してくれるようだ。


「どうしたの?しま?私の顔に何かついてる?」

「いやいや、、」

「単純に可愛いいなと思って、、」


 俺、何を言っちゃてんだ!とっさに出た言葉とはいえ、、また思ったことをすぐに口に出す、悪い癖が出てしまった、、


「まゆ」の反応を見てみると、、なんとも言えない顔をしてる。やべっ、、非モテ男子の言葉なんて気持ち悪いだけだろ、、非常に気まずい、、


「ところで、、お腹すいてない?」

 とりあえず話題を変えて、、この場を逃げ切ろう

うんうん!それがいい、、我には必殺のシイタケがあるではないか!!


「そうだね、お腹ペコペコかも」

 なにその言い方、可愛さがあふれてるよ

 まゆ先生!!


「さっき見つけた、シイタケ焼いて食べよう!」

 山ほどあるシイタケに「まゆ」は目を輝かせる

「でも、しま?火なんてないよ?」

「あっ、、、」青天の霹靂だった、、

「バカだね、しまは」まゆが笑ってる

「そだね、こう言う時は、、、どうしよう??」

「私、ライター持ってるよ、お仕事で使うし」

 ちょっとおどけた顔で、、島をからかう

 まゆであった。


 それから、楽しくシイタケを食し、ただ、、ずっとシイタケだと少し気持ち悪い、、まゆも同感のご様子。まぁお腹は膨れたから、贅沢は敵だ!


 お腹もいっぱいになったところで、2人は森を抜けて集落を探すのであった。


続く


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