各作品の講評(ランキング順)
各審査項目について
さて、それでは長らくお待たせいたしました!
ここからは各作品の詳しい点数内訳と細かな講評となります!
作者名、作品名、そして各審査員の点数を0/0/0/0 0/30のような形で書かせていただいております
各配点の順番は右から順に
・文学少女を文学少女らしく、本や読書、創作を愛する姿を書けているか?(10点満点)
・作家、もしくはそれ以外の道を選ぶ理由、バックボーンを掘り下げられているか?(10点満点)
・文学少女に対して『癖』を込められているかどうか(5点満点)
・文章、ストーリーが魅力的かどうかなど、その他の加点要素(5点満点)
です!
ちなみに、審査基準となった四項目ですが、各項目でどのようなことが描かれていれば加点されていたのかを簡単に描かせていただきます
『文学少女を文学少女らしく、本や読書、創作を愛する姿を書けているか?』
文学少女らしくとは、
何故、その文学少女が本を読むのか
本を好きになったきっかけや出来事、何がその少女を『文学少女』と言える程の本好きにしたのか、彼女がどういう環境で育ち、何を思って本を手に取り、その後本を読み続けたのか……また、読む側から書く側になろうと思ったのは何故か?その心情の変化を描けているかどうかということです。
上記を踏まえた上で、『愛する姿』をどのように描くか、という部分に期待していました。
参加作の中では、
『その文学少女は本を読む』の読書シーンや本の好みが地の文の文体に反省されている点。
『Konungariket Sverigeの空想少女』の文学少女が妖精を見ることができるという、空想が好きな少女として描かれた点、などが評価された項目です。
『作家、もしくはそれ以外の道を選ぶ理由、バックボーンを掘り下げられているか?』
文学少女が作家になるのならば『何故、作家になるのか』
本を読むだけでは満足できない心情や、書くことでしか満たされないものがある、書きたいものが胸の内にあるという抑えきれない衝動。
『作家になること』をただの目標ではなく、その文学少女が心から求める未来として描けているかどうか。
あるいは、作家にならないのならば『何故、作家にならないのか』
そして、作家以外の『なりたいもの』になる理由を描くことが重要なポイントです。
決して、作家になれなかったからと、夢破れた結果として別の進路を選ぶんではなく、文学少女が本を、物語を愛した上で「私はこの道を行く!」という姿が描けているかどうかという部分に期待していました。
参加作品の中だと、
『その文学少女は本を読む』の主人公が何故、本、読書が好きになったのかという経緯を描きつつ、大学で出会った青年の影響で編集になる。文学少女の成長とともに本との付き合い方が変化していくストーリー展開を描けていた点。
『聖なる夜に御伽噺より、祝福を込めて讃美歌を』の兄妹の物語に対する強い思想を描き、その思想や心情が反映された行動として作家にならない道を選んだという点、などが評価された項目です。
『文学少女に対して『癖』を込められているかどうか』
ある意味で、一般的な文学少女像に対して、私は文学少女に対して『こういうアレンジを加える』というチャレンジング、もしくは読者の文学少女感を塗りつぶせるポイントがあるかどうか。
参加作品の中だと、
『聖なる夜に御伽噺より、祝福を込めて讃美歌を』の妹の中二病を煩わせながらも、確かな物語への愛を語らせ、一貫して物語に人生を捧げたようなキャラクターづくりをみせた点。
『Konungariket Sverigeの空想少女』の文学少女とは空想を愛するという点に着目し、妖精が見える文学少女に合わせて、舞台を北欧諸国にした点、などが評価された項目です。
『文章、ストーリーが魅力的かどうかなど、その他の加点要素』
文章の巧みさ(表現技法や読みやすさ)や、ストーリーがエンタメとして優れているか、その他評価基準には加えれらない加点要素がまとめて評価されます。
参加作品の中では、
『私の人生のヒーローが不安そうだったので安心させる話』の文学少女の恋愛に焦点を置き、恋人との進路相談や学生の立場を上手く使ってエンタメ、ラブコメとしても作品作りに成功していた点。
『聖なる夜に御伽噺より、祝福を込めて讃美歌を』の文学少女ではない兄とその身の回りの設定など、文学少女とは関わりのない濃い部分、といった部分が評価された項目です。
それでは、ランキング上位から順にどうぞ!
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