第9話「あき・とぅも・ゆぅかは縦に並んだ。」


 夕暮れの河原にあきを呼び出した。ゆぅかはあきを見られないので、私が間に入る事となった。そしてゆぅかの指示に従った。


「それでは──とぅもはあきの方を向いて下さい」


「ハイ」


「とぅもはつま先立ちして下さい」


「ハイ?」


「とぅも、もうちょっと唇を突き出して──」


「むむ──?」


「そのまま待機っ。次はあき。とぅもとキスして下さい」


「はぁーい。チュッ」


「ほえ?」


「次にとぅもは回れ右します。回れ右っ、かお真っ赤にしてるんじゃないよ──」


「にゃー」


「わたしの方向いて。唇を突き出して! おーし、そのまま立ってて……」


「チュッ」


「ニャニャニャ」


 私はあきとゆぅかに回された。


 あきはキスのレベルが上がった。


 ゆぅかもキスのレベルが、上がった。


 私? あきとゆぅかにキスされまくってふたりより2倍レベルが上がった。


「ニャニャニャ──」


 夕陽に私のネコ娘声が響き渡った。

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