第3話 ボクの僕

「先生、記憶に混乱見えますね」


「そうだね。このままでは、人格が破壊されかねん」


「では、今回も実験は中止ですか?」


「仕方なかろう」


その言葉を合図に部屋の灯りがつき、水槽の特殊な液体が排出され、水槽の底にゲル状の物が見えてきた。


「人工知能が二つの記憶を持つのは何故でしょう?」


「其処さえ解明できれば、本当の人工知能の完成なんだかな」


そう言うと、2人は白衣を脱ぐと、部屋を後にした。



『ボクはマダ、シナナイヨ』

水槽の中から声がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕とボク 奇想の森 @inoyan69

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画