第11話 また遊ぶ。

 その土曜、僕はため息をつきながら店に行った。電話で、僕はミナミを指名していた。だが、僕は『たらい回し』にされてるようで気分が重かった。


 だが、ミナミと会って、テンションは爆上がりだった。ミナミは身長163センチ、スラリとした体型、脚も長かった。話して、ミナミが元モデルだったことを知った。僕は(元)モデルに縁があるようだ。


 ミナミは形の良いCカップだった。見惚れてしまう。僕はようやくわかった。しのぶにはしのぶの魅力があり、アキナにはアキナの魅力があり、ミナミにはミナミの魅力がある。誰とも付き合っていないから、好きな時に好きな女性に遊んでもらえる。これはこれで、いいかもしれない!


 やっと、僕は『遊ぶ』ということ、『遊びの良さ』というものがわかったのだと思う。恋人はいないけどタイプの違う3人の美女と遊べるのだ。これは、多分、恵まれているのだと思う。



 ミナミは3回指名した。僕はずっと、『休日にプライベートで遊ぼうよ』とミナミをデートに誘っていた。僕は、経験上、遅かれ早かれプライベートデートは出来る! と信じていた。そして、その確信に間違いは無かった。



 ミナミとの初めてのプラべートデート、


「どこか行きたいところはある?」


と聞いたら、


「崔君にお任せ」


と言われたから、本当に僕の行きたいところに行った。


 屋内プール! 日焼けの心配は無し!


「もう、崔君・・・」


ミナミは恥ずかしがってバスタオルで隠そうとする。バスタオルを取り上げて、ミナミの赤いビキニが露わになった。うん、やっぱりミナミもスタイルがいい。男共の視線はミナミに釘付けだ。


 ミナミは慣れてくると、自分から『スライダーで滑ろう』と誘ってきた。僕等は互いに久しぶりのプールで子供用にはしゃいだ。スライダーはミナミに後ろからくっついて滑った。ミナミの胸が心地良い。


 そして! なんとミナミは弁当を作ってくれていた。僕はミナミが作った弁当で胃袋まで掴まれた。ミナミに惚れてしまいそうだった。ちなみに、ミナミは指名写真には30歳と書いてあったが、実際は33歳(今年34歳になる)だった。まあ、僕は年齢なんて気にしない。



「崔君、そろそろ出ようか?」

「まだディナーには早いで」

「もう、わかってるくせに」

「わかってくれてるんや」

「私も、早くやりたいねん」

「ほな、行こか」



 僕はミナミの水着姿の写真をデジカメで大量にゲットした。戦果に充分満足してミナミとプールを出た。そして、そのままホテルへ・・・。



 初めてミナミと結ばれた。とにかく大満足だった。2回戦を終えて、ミナミは僕の腕の中。ミナミは僕に寄り添ってくれた。



「これで、僕はミナミさんの恋人に・・・」

「なられへんよ、ごめんやけど」

「(また、この展開か!)なんで?」

「私、旦那と3人の息子がおるねん」

「そうなん?」

「うん、勿論、旦那には内緒。旦那は私がデパートで働いてると思ってる」

「なんで風俗を?」

「やっぱりお金! 旦那は美容師やけど、収入が少ないねん。私は3人の息子を全員大学に行かせてあげたいねん。あんまり成績がよくないから、多分、国公立じゃなくて私立の大学になると思う。せやから、今から3人分の私立の大学の学費を稼いでるねん。結構、真面目な理由やろ?」

「うん・・・真面目な理由やね」

「ということで、恋人にはなられへんねん」

「まあ、旦那がいるんやったら、しゃあないなぁ」

「そう、仕方ない」

「でも、旦那とはもうしてないんやろ?」

「なんで、そう思うの?」

「いや、最近、知人にもセ〇クスレスが多いから」

「私は毎週土曜日、旦那とやってるで」

「そうなんかい!」

「うん、だって、気持ちええから」

「僕としたのはなんで?」

「気持ちええと思ったから。崔君も、しのぶさんとかアキナちゃんを指名してるやろ? 相手が変わったら新鮮やろ?」

「あ、そう言われれば・・・人それぞれ、違う魅力があるもんね」

「そう! 旦那とも週に1回してるけど、崔君ともしたいと思っててん。崔君なら理解出来るやろ?」

「うーん、うん、まあ、理解はできる」

「でもな、私がプライベートでデートしたのは崔君が初めてやで」

「そうなん?」

「うん、ちなみにアキナちゃんもそうやで。アキナちゃんもお客さんとプライベートデートをしたのは崔君だけのはずやで」

「そうなん?」

「しのぶさんは・・・どうかわからへんけど。多分、しのぶさんもそうちゃう?」

「そんなもんなんや」

「うん、崔君は普通の人とは違うんやと思う」

「そうなんかな?」

「あーあ、ミナミさんが恋人になってくれたら良かったのに」

「次はあかねちゃんを誘ってみたら?」

「え? なんで?」

「多分、痛い目をみると思うから。おもしろそう」

「そうなん? どんな女性なん?」

「それは、自分で確認したらええよ。1つ言えるとしたら、あかねちゃんはちょっと性格が悪いと思う」

「うーん」

「あかねちゃんに興味を持ったやろ?」

「うん」

「そうやと思った。崔君、トラブルに飛び込むところがあるもんね」

「そうなんかな?」

「うん、そんなところもおもしろいから魅力やけど」

「あかねちゃんかぁ・・・」

「指名してみてや。ほんで、どうなったか? 教えてね」



 思えば、遊びはここまで、ミナミまでにしておけば良かったのだ。しのぶ、アキナ、ミナミ、3人と遊べたらもう充分だろう? なのに! 嗚呼! なのに! アホな僕はあかねを指名すると決めたのだった。ここから、僕の『風俗遊び』が変な方向に行ってしまうのであった。







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