第2話 神像と桜草
神殿の内部は
神殿の奥には、
ひゃあー、さすがにあの穴には入りたくないな、絶対何かが出て来そうだ。
自然の洞窟的なものに、
太い柱に
男と女が対面で抱き合っているぞ、それなのに、両方とも真直ぐにこっちを見ている。
俺の主観だけどな。
神像の手間には、ベッドサイズの台がドーンと置いてある、まさかここに人を寝かせるんじゃないよな。
ベッドサイズなのが怪しいと思う、ここの神様は
ひぇー、神様、俺は汚いし美味しくないよ。
ざぁっと
それも
花が飾られているって事は、何か知的生物がいるってことだな。
そいつらに見つかる前に、早く逃げるべきだ。
俺は空間の隙間から、元の世界へ帰る事にした、収穫は何もなかったな。
異界から帰った
あのままじゃ、異界より奇妙な生物が来ちゃう可能性もあるので、ホッと一息をつく。
異界は少し気になるけど、大きな神像だけじゃどうしようもない、無かった事にしよう。
無い頭で考えても時間の無駄だ、それよりも明日からの生活の方が重要だろう。
気が抜けたからか、すごく眠たくなってきた、一人なんだから寝たいなら、もう寝よう。
俺は何を考えているんだ、かなりヤバいぞ。
俺はある地方都市の
犬さえも歩いていない、ゴミだけが舞っている、
色あせた飲み屋の看板と、割れたままのネオンサインが、とても
閉まったシャッターが壁となり、それらに輪をかけている。
おまけに、雨がしとしと降り始めやがった、傘がないから濡れてくる。
寒みいなぁ、はぁー、まともな生活をしてぇよー。
「おい、Aさん、このスナックで合っているんだな」
「あぁ、B君、この店でドンピシャだ」
「けっ、化石かよ。 どうでも良いけど、早くしようぜ」
俺とB君は、やっているかどうかも怪しい、この〈
〈桜草〉か、名前がまるで合っていないな。
俺は半グレの末端だと思う、〈はると〉と言う若い男に、公園でスカウトされたんだ。
ベンチで日向ぼっこを楽しんでいたところをだ、
B君は、たぶん
B君の事は、
アルバイトの内容は、このスナックのトドママにカチコミをかけて、借金の取り立てをしろと言う話だ。
当然ながら、トドママは普通じゃ無い、素直に借金を払わない女なんだ、容姿および体形からして
俺とB君は、スナックへ乱入して嫌がらせをする役目だ、と言われている。
毎日嫌がらせをすれば、そのうち
だが、外観を見ただけで、どうも無理そうだ。
嫌がらせをしようがしまいが、こんな店に入る客はいないだろう。
ちなみに、トドママってニックネームは俺がつけた、携帯で見せられた姿がどう見てもトドだったからだ。
海獣もしくは怪獣にしか見えない、ブクブクと太っているんだ、悪夢に出てくるようなママだと思う。
〈桜草〉のドアを
ただ勢いは、入った途端に消滅してしまい、タラリと冷や汗が出来てくる。
〈桜草〉の中にはどう見ても、プロがいやがったんだ、トドママはもっとヤバイところからも金を借りていたんだ。
いかにも、ありそうな事だな。
「あぁ、おまえらは、なんだ。 コイツの
短い金髪にスウェットの上下、末端らしいが、暴力団の二人組が俺とB君を
「えっ、あっ、違いますよ。 借金返済の協議に来たんです」
俺はしどろもどろになりながらも、決して加勢じゃない事を伝えた。
勘違いってヤツは、ほとんどの争いの、元になるものだからな。
「ふははっ、ご同業って事か。 でもな、はえぇもん勝ちなんだよ。 ここの娘は俺らがもらっていくぜぇ。 ママも了解済みだからな」
「くっ、何で私がこの女の借金のために、風俗で働くのよ。 連れて行くなら、借金をした、その女にしなさいよ」
いかつい男に腕を捕まえられたまま、若い娘が
この女と
まだ可愛らしい顔を保っているが、将来はトドなのか、時とは恐ろしいものだ。
「あぁ、バカなのか。 ママを買う男がどこにいるんだよぉ。 おめぇは、常識ってもんがねぇのか」
「ちっ、人を化け物みたいに言うなんて、失礼だわ。 娘をくれてやる代わりに、借金は棒引きよ。 私に似て
おっ、この時代に未成年である高校生の売り買いかよ。
コイツらまともじゃねぇぞ。
都市伝説と思っていたが、もしかしたら、この娘は中東の産油国にでも、売られてしまうのか。
あっちの国でも、アニメの影響で日本の高校生の需要が、かなり高まっているらしい。
いかにも、ありそうな事だ。
国際的な組織に関わるは、どう考えても、リスクがてんこ盛りだ、早々に
〈はると〉も、この状況じゃ怒ったりはしないだろう。
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