女子高生と同棲して、異界で巫女にサービスされる、俺ってなに

品画十帆

第1話 鋭い刃物

 俺はギラリと光る刃物を、コンビニの帰りにたくされた。

 それが世界を切りけと、俺に叫んでくる。

 切り裂いた世界の神が、俺へささやいてくるんだ。

 欲望を満たす事が、どうしていけないんだと。



「使徒様、巫女みこを連れてまいりました。 国中で一番の器量良きりょうよしで御座ございます」


 「使徒様、お目にかかれて光栄にぞんじます。 〈アココ〉としょうする乙女であります。 ぜひ、使徒様の巫女として、おそばに置いて頂きたく参上さんじょういたしました」


 〈アココ〉と言う娘は、二十歳までの、すらりとした手足のすごい美人だ。

 肌がやや浅黒いのは、おさと同じだけど、目は大きくパッチリしているし、まゆ毛が濃くて太いのも健康的で良い。


 「ほぉ、使徒様もお喜びのご様子。 この〈ワワク〉、胸をでおろしております。 ははっ、後は若い二人で、ご存分ぞんぶんごして頂ければ幸いです。 私はこれで失礼いたします」


〈ワワク〉という名のおさが神殿を出て行き、俺は〈アココ〉ちゃんと二人切りになった。

 どうしよう、黙ったままじゃ良くないよな、なんでもいいから会話の糸口いとぐちが無いのかよ。

 俺には美人とスムーズに会話出来る、スキルなんてものは、生えていないんだ。


 「使徒様、祭壇さいだんの前でいたせと教えられています。 そうすれば、私が使徒様のしんの巫女となるのだそうです。 このとおり、敷物しきものを持参していますので、さあ、いたしましょう」


 〈いたす〉を二回言ったぞ、この子、やる気満々なんだな、そりゃ俺もいたしたい。

 でもな。


 表情がかたい、思いめたような顔をしている、本当は俺としたくないんじゃないの。


 「えぇっと、君の名前は〈アココ〉と言うんだな。 〈アッコ〉って愛称ニックネームで呼んでも良いかい」


 「〈アッコ〉ですか…… 。 はっ、使徒様のお好きなように、お呼びください」


 〈アッコ〉と呼ぶのは微妙だったらしい、でも男に二言があってはいけない、〈アッコ〉で通すぞ。

 細かい事を気にしていたら、人生に負けてしまうんだ、もう俺はかなり負けているからな。


 「使徒様、どうぞ私の体を使い性をちだしてください。 私はそれを望んでおります」


 うわぁ、〈アッコ〉が貫頭衣かんとういをパサリと脱いで、敷物の上へ寝転んだ。

 下着は初めから、つけていなかったんだ、一糸まとわぬ全裸だよ。

 浅黒い肌がツヤツヤでなめらかそうだ、少しもくずれていないおっぱいが、うっ、たまらん。

 

 俺も服を脱いで、〈アッコ〉におおいかぶさった、そして唇をうばい、おっぱいをみしだく。

 自分でも止められない、止める気もないが。


 〈アッコ〉は目をつぶったまま、微動だにしない、まるで人形のように表情が変わらない。

 一筋すじの涙を流しただけだった。


 くっ、俺はとんでもなく悪い事を、しているんじゃないか、でも止めたくない。

 快感をむさぼる事が止められない、〈アッコ〉のつらささえも、俺の情欲のエサとなっている。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 俺は何をしているんだ、俺がこんな事になったのは、ある出来事がきっかけだったな。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 冷蔵庫から、缶酎ハイが無くなってしまった、もう一本も無い。

 ちょー、だりぃなぁ。


 一昨日おとといも昨日も飲んだんだ、残り少なくない事に、気づいていただろう。

 ちっ、そうだよ、それがどうしたって言うんだ。


 こんな真夜中に、缶酎ハイだけを買いに行くのか、しん邪魔じゃまくさい事だね。

 けっ、コンビニへ買いに行けば、良いだけの話じゃねぇか。


 俺は脳内の争いに終止符しゅうしふをうち、缶酎ハイを買いに行く事にした。


 これ以上争いが続くのが怖かったんだ、けど、お利口りこうさんの平和主義者では、俺は無い。

 アルコール依存症になっている可能性に、ははっ、思い当たってしまったんだ。


 ちょっと、ヤバイぞ。

 ぞぉー。


 手遅ておくれかも知れないので、かまわず飲む事にしよう、それが現時点での正解だ。


 缶酎ハイは俺を救うんだぁー。


 ポケットに手をっ込んで、猫背ねこぜぎみに歩いてコンビニまで、缶酎ハイを買いに行く男。


 それが俺だ。


 六畳一間の安アパートが似合い過ぎて、ははっ、こまっちゃう男でもある。


 コンビニで缶酎ハイを二本買って、トボトボと歩き出した、二本しか買わないのが洒落ているだろう。

 そうは思わない。

 そりゃそうだ。


 ケチった訳じゃないぞ、金を持っていないだけの話だ。


 ザ貧乏って言う喜劇の主人公を、演じているんだよ、俺の希望じゃないのが、かなり悲しいよ。


 少し先で、人が争っている物音が聞こえてきた、一瞬疑ったが俺の脳内じゃない、体の外から音がしている。


 こんな真夜中に、こりゃ厄介やっかいだな。


 そう思ったのと同時に、俺は男に体当たりをされて、道にコテンと転がっていた。

 一瞬の出来事だ。


 「あいたたぁ」と俺が言っている横を、今度は二人の男が走り抜けて行ったらしい。

 暗くて良く見えなかったんだ、それにひじひざが痛かったからな。


 「ちぃ」


 俺は道につばき捨て、自分の運の無さを呪う事しか出来ない。

 どこの誰かも分からない、しかもヤバいヤツらみたいだ、慰謝料なんて、とてもじゃないが取れないだろう。


 缶酎ハイが入っているビニール袋を、もそもそと拾い、俺は「くそっ」と毒づいた。

 痛みをこらえて、トボトボと帰るしかないな。


 やっとアパートに帰ったのに、これだ。


 缶酎ハイを開けて飲もうとしたら、「プシュー」と顔に噴出ふんしゅつしやがった。

 俺の運は、もう最底辺だな、しずんでいるよ。


 顔かられてくる酎ハイを、舌でめている俺は、かなり上位の道化師かも知れない。


 観客がいれば、このギャグで大爆笑だ。

 だが、自分では笑えない。


 残った一本は冷蔵庫で、炭酸を大人しくしよう。


 久しぶりに投稿してみるかと、ノートパソコンで書いていた小説モドキは、今日はもう止めだ。

 どうせ誰も見ないのだから、急ぐ意味は何も無い、誰も待っていない。


 ボーっとしてても、しょうがないので、今日はもう寝るか、体もズキズキと痛む。


 引きっぱなしの布団に入る前に、上着を脱ごうとしたら、何か固い物が手に当たったぞ。


 ポケットに何か入っている。

 あれー、何を、いつ入れたんだ、俺のおつむはヤバい事になっているぞ。


 ポケットから出て来たのは、木で出来た棒だ。


 棒ってなんだろう、犬が歩けばってあったな、俺は犬か、野良だな。


 木の棒は、長さが十センチ程度で、にぎりやすい太さだと思う。

 物はかなり古そうだな、三分の一くらいの所に、線が走っているぞ。


 ここで開きそうだから、開けてみよう、これが何か全く予想がつかない。


 骨董品的こっとうひんてきな物で、少しでも金になったらな、なるわけが無い、ゴミに決まっている。


 俺はあわい期待と好奇心を刺激されて、線から上を引き抜いてみた。


 〈ギラリ〉と音がしそうなほどするどい刀が、スッーと出てきた、いやいや、こんなに短いのは刀じゃない。


 それなら何と呼ぶのか、俺には分からない、ようは七センチもない短い刃物だ。


 ただ、怪しい雰囲気を出している、いかにも切れそうな刃だ、濡れているようなヌメッとした輝きをはなっている。


 これが玩具おもちゃじゃないのは俺でも分かる、けど、用途が不明だ。

 人をす用途としては短すぎる、刃はもろにそうなんだけどな。


 出所でどころは間違いない、俺をころがしたさっきの男だ、それ以外は考えられない。

 ぶつかった時に、俺のポケットに入れやがったんだ、すげぇ早業はやわざだ。


 でもよ、目的は何なんだ、全く予想も出来ないな。

 あの男に何のメリットがあるんだ、なぜ俺なんだろう。

 俺は偶然歩いていただけだ。


 それにしても、この刃物はなんだ、何を切る物なんだ。


 俺は試しに、刃物を振ってみた。

 そしたら驚愕きょうがくの現象が、おきちぃまった。


 噛むのはしょうがない、俺の目の前の空間が切れてやがったんだ。


 切れ目からは、薄暗い建物の内部が見えている、まさかこれは異界なの。

 女っぽくなったのは、驚きのあまり男の部分が、引っ込んでしまったからだ。

 その証拠に俺の股間は、ちぢみが上がっているぞ、痛いくらいに引っ込んでいる。


 俺は空間の隅間すきまから、恐る恐るその建物に入ってみる事にした。


 〈どうしてそんなに危険な事をするの〉と問われたら、金のためだと胸を張って答えたい。

 俺にはその建物が神殿のように思えたんだ、仏像やお地蔵さんは、結構良い値段で売れるんだぞ。


 その建物は俺の、ピンポン、予想どおり神殿だった。


 男と女をあらわした巨大な彫刻が、色んな体位でからみ合っている、それが一杯ある。


 うわぁ、いやらしい神様だよ、お子様は拝観禁止だな、俺はこの神殿がR18だと断定した。

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