命と叡と滝雄平安道中(四神獣達は空気を読んでます)
叡が言う場所へ歩きで行きながら叡と話す
「叡は眷属見習いを外されて何も思わなかったのか?」
「それは悔しいですが、好いた娘のためにやった事に後悔は有りませぬ」
「叡兄上ほどの者が娘に現を抜かすとは、私は悲しいです」
「何を言っておるか命もこのお方を兄上と慕っているではないか」
「私は、叡兄上がいなくなって助けて頂いた兄上に、兄の温もりを求めて兄になって頂いたのです」
「あれ?力が強くなるからと聞いたと思うけど?」
「はい、力を強くするだけなら別に兄妹になる必要は無いのですが兄上の力に感銘を受け私自身が兄になって欲しいと願ったためです、騙す様な形になってしまい申し訳ございません」
「別に良いよ気分は害して無いから」
「有難う御座います兄上」
「くそっ、妹を取られた気分なぞ味わうとは」
「叡兄上が先に妹を捨てたでしょ」
「あの時の私はどうかしてたんだ許しておくれ命」
「兄上、叡兄上に兄上のあの力を使って下さい」
「え?叡が元気になって逃げないか?」
「兄上の力と叡兄上の力は真逆ですから大丈夫ですよ」
「そうなのか?叡、私に身を委ねろ」
「なんだ?何をする気だ!?私は従順に早良親王の怨念場所を教えておるではないか拷問されることなぞしておらんぞ!!」
「まあ、痛くないから大丈夫だぞ」
叡を閉じ込めている結界の上から叡を元気になれと思いながら撫でた
「うお?おぉぉぉ!?春香ぁぁ、春香ぁぁ!!」
叡が名前を呼び出した聞き覚えのある名前だ確か彼女は島流しに、なるほど合点がいった
「はい、兄上有難う御座います」
「ん?もう良いのか?」
「春香ぁぁあ!!そんなぁ、もっとお願いします!!」
「叡兄上、兄上の力は与えられる者が心の底から求める物や、癒しを見せてくれるのです、そして今叡兄上は娘の名を呼びました、時間が経ち妹である私に会った今でも心の底では娘を求めているのです、妹を取られたとか言う資格はありません」
「うっぐ、たっ確かに春香を求めてしまったのは認めよう、しかし男ならば異性を求める事は間違いではないだろ」
「そもそも眷属が異性の体を求めてはいけません」
「眷属見習いに生まれたばかりに、こんな酷い仕打ちを受ける何て、眷属に生まれなければ良かった!!」
「眷属から破門されましたからこれから生まれ変わって娘の生まれ変わりと結ばれれば良いではないですか」
「それは死ぬ前提ではないか!?」
「だって、稲荷大神に叡兄上を引き渡せば粛正は免れません」
「それならば引き渡しをやめてくれよ、な、命の兄として最後の頼みだ頼む」
「都合の良い時だけ兄と言わないで下さい」
「娘と契約した後に命が私を止めに来た時があっただろ?あの時命を葬り去るなぞ容易かったが妹を思ってそこまでやらなかったのだぞ、私は兄としてあの時命の為に煮えたぎる怒りを抑えていたのだ、だからな?私は命の兄として自覚があるのだ許してくれ」
「叡兄上、そのような事が、うっぅぅ」
叡の答えに命が泣きだす
「命大丈夫か?」
「兄上ぇぇ」
命が私に抱き付き懐で泣きだす、その命の頭を力を使わず撫でる
「くっ、それをする役目は私だったのに!!憎いあの時の愚かな私が憎い!」
あれが本心なら、これが叡にとって拷問なのかもな
「叡、命は任せておけ、私が幸せにしてやる」
「ぬううぅっ、命の事を思えば貴方ほどの方がいた方が幸せか、どうか命を宜しくお願いします」
結界で閉じ込められた叡が萎れているのが分かる
「ああ、任された」
「叡兄上、私兄上と幸せになります」
命は泣きやみしっかりとした顔つきで叡に宣言をする
「なあ、これ結婚じゃないよな、分かってるか?」
「はい、分かっていますよ叡兄上」
「ほんとうか?本当にわかってるのか?眷属は異性との交わりは駄目なんだぞ?」
「兄上に対してそのような感情ありません大丈夫です」
「そうか?私の二の舞は駄目だぞ?分かっているのか?」
「心配しすぎです、うるさいですね」
命が叡のそっぽを向いて呟く
「命がグレた!」
「叡、あれはくどいぞ」
「兄として注意をしただけだ命を思っての事なのに」
「安心しろ妹に手を出す兄などいない」
「いや、
「大丈夫だ元兄の叡に誓おう」
「命は優秀で自慢の妹だ、立派な眷属となるだろうそれをゆめゆめ忘れるな」
「ああ、分かった」
「何で今更まともな兄面するのですか叡兄上」
「こんなに妹思いな兄を稲荷大神に差し出そうとは思えないだろ?」
「それで全て台無しです」
「命冗談だ真に受けるなよ」
中々和気あいあいとした旅になった、命は最後に叡と話せて良かったかもな
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