第22話命と滝雄の出会い、滝雄視点
四神獣達と長岡京を目指していた私、
「むっ、あちらの空から何かが来る?」
「滝雄様お下がりください」
白虎と玄武は臨戦態勢に入りながら滝雄の前に出る
「あれは上位存在です!」
青龍は右前に
「何であんな存在がこっちに?」
朱雀は左前に
攻撃と守備を兼ねた陣形を取る
「まずはあちらの話を聞こう」
準備万端のところで開きのある白虎達の前に上位存在が降り立つ
「うぐっ、力の元は…人?」
目の前に降りてきた存在はどうやら傷を負っている人の姿に化けた妖狐だった
「どうした大丈夫か?弱っているな」
「恥を忍んでお願いします、貴方の力を私に少し下され」
四神獣達はお互い見つめ合い私にどうするのかを目で伺う
「なにか事情があったようだな、私の力で良ければ出来る限り渡そう」
そう言っで私は彼女に近づき
「私は未熟者でこのやり方しか知らないので、触る事を許してくれ」
そう言って彼女の頭を元気になれと強く念じながら撫でた
「ふあぁぁー、っうっうっうあっ兄上ぇぇぇぇ」
彼女は私の力に最初は驚きはしたがその後で幸せになったが、泣き出した兄上と何かあったのだろう泣きながら私に抱き付いてきた
四神獣達はその行動に驚き警戒して、何も出来ないが私と分からぬ存在を取り囲んだ
「あー、四神獣達警戒しなくても大丈夫だ」
私が軽い声で大丈夫な事を言うが四神獣達は懐疑的で、渋々ながら緊張を緩めた
「一体どうした?兄上に何かあったのか?」
抱き付きながら泣く彼女を根気よく撫でながら話かけ続けた
色々な質問をする事で大体のことを把握した、命様は泣き止み私からはもう離れている
「神様の眷属様とは知らず、失礼な態度を取ってしまい誠に申し訳ありません」
「御免なさい」「「申し訳ありません」」
朱雀が軽いが、四神獣達は命様に謝罪をする
「別に良いよ、私は見習いだから神性力的に見劣りがあるから勘違いされても仕方ないよ」
「お許し頂きありがとうございます」
「「「ありがとうございます」」」
代表で玄武が礼をすると後の三人が続いて礼をする
「今からどうするのですか?兄上様を止められるのですか?命様を回復した者として、ここで別れてまた怪我をされるのは目覚めが悪いですからね」
話を聞く限り勝ち目のない事だと思った
「はっきり言ってしまえば無理でしょう元々私と兄上は半端者でしたが、兄上は娘や娘の血縁者の怨念を取りこみ一人前ほどの力を手に入れていますから」
「私達も協力しましょう」
私は強い使命感を持って申し出る、その娘とやらに心当たりがあったから
「ご主人様、我々では足手まといではないでしょうか?」
玄武の意見に他の四神獣達も頷く
「あちらの手数に困っているのならこちらも数を増やせば良い」
「あの、一つ協力のお願いが有ります」
命様から協力要請に四神獣達は驚いた顔をする
「自分が出来る限りのことなら何なりと」
「「「御主人様!?」」」
「ありがとう御座います、では滝雄様には私と兄妹となるため魂の契りをお願いします」
「眷属様と兄妹になれるとはなんと誉れ高い」
「滝雄様少々お待ちを、その契りをする事によって命様にどのような効果があるのでしょうか?」
玄武が命様に質問をする、私の事を思っての事だろう玄武は慎重な奴だからな
「まず、私の力が増えます、わたしと兄上は相反する力が別れ半端な魂となったのでお互い魂が影響を与えません、そこで力の方向が似ている滝雄様と契りを結べば魂は影響し合い力が強くなります、この契りの恩恵は現段階では私だけに有ります、私も驚いたのですが、滝雄様の幸福を抱いだかせる力は私をも凌駕しています」
「いや〜ありがとう御座います」
命様に褒められて私の鼻は高い
「現段階の恩恵という事ですが後で変わるのでしょうか?」
玄武が気になったところを指摘する
「もし、私が正式に眷属になれた場合滝雄様も神通力の片鱗を使えるようになれます」
「なんだって!!、そんな事が出来れば私は宮廷お抱え陰陽師になれるのでは!?」
「もしできたのなら、歴史に名を残す陰陽師に成れるでしょう」
「よしっ、契りをしましょう早速!」
「一つ私と兄妹になるということは滝雄様は稲荷大神の眷属となりますが、今は現世の体がありますから眷属候補見習いになります、死後現世の体が無くなれば正式な眷属に成れるかもしれません」
「それは望むところです!」
「但し、滝雄様の現生の行い次第では眷属にして貰えない場合もありますからね、もし眷属になりたいのであれば稲荷大神に羞じぬ人生を送ってください」
「何も問題無いですさぁ、契りを交わしましょう!」
私はやる気満々四神獣達は契りに欠点が無いので止める事をせず命様との契りが始まった
「滝雄様、今から貴方の魂に私の魂の一部を接触させます、少し違和感が出るかもしれませんが全てを受け入れて下さい」
命様は私の胸に両手を添える
「分かりました」
「いきますっ」
「っ!」
違和感はすぐにきた今までに無かった感覚、元からあったのだろうから脹らんだと言えばいいだろう庇護欲が高まり何をどう庇護すればいいのか…そうだ今触れているものを包み込めば良い、自分に触れている何かを抱き込むように受け入れて包んだ、包んだ何かと繋がった気がしたそれとは別に遠方に強い力の元との繋がりが出来る感覚がする悪い気はしないむしろ、安心感がある
「兄上終わったよ」
「そうか、これで命様と兄妹に」
「兄上、私の事は命と呼んで下さい」
「あっそうか、命、」
「はい、兄上」
そう言って命が抱き付いて来る
さっき出てきた庇護欲に押され命の頭を慈しむように撫でる
「兄上ぇ」
命は甘えた声で抱き付いた腕の力を少し強める、痛くはない、家族を愛おしむような力加減、こちらの心を幸せにしてくれるこの子は守らねばと強く思った
「ご主人様、命様おめでとうございます」
「「「おめでとうございます!」」」
「ありがとうみんな」
「兄上ありがとうございます」
「なに、これで命の兄上様を止められるならお安い御用さ」
「あ、
「命の兄上様が、私達の説得で改心し、思い止まったとしても眷属に復帰は出来ないのか?」
「おそらく出来ません、私と叡兄上との絆が切れていますから、稲荷大神からは妖狐扱いにされています」
「命はそれで良いのか?」
「良くないです!本当は叡兄上と一緒に眷属の仕事をするはずだったのに叡兄上のばかぁ」
語尾をかすれさせ涙を流す命
「妹を心配かけて泣かせるなんて許せないな」
先ほどできた妹が悲しむ姿を見て兄として時間の短い自分の無力さに苛立つ、庇護欲が強くなったからこそ余計に苛立つのだろう、魂の契りをしたと言っても即席の絆、長年付き添った本当の兄には勝てない自分が出来る事はこれぐらい、命に近付き泣いている命を励ます気持ちで頭を撫でる能力は無しで
「あっ、兄上ぇぇぇぇ」
命が泣きながらしがみついてくる
「幸せな気持ちになりたいならいつでもしてやるから言ってくれよ」
「いえ、これで十分です、もっと撫でて下さい」
命は泣き止み頭撫でを要求する、兄として新参者だが、ちゃんと兄と認めてくれてるのだと思えて嬉しくなりしっかりと撫でる
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