第19話幼少期龍雄と涼香結婚約束過去編

「涼香ちゃーんあーそーぼー」


「あらあら〜、龍雄君涼香呼ぶから待っててね〜」


 涼香ちゃんのお母さんが涼香ちゃんの妹の礼奈ちゃんを抱えて出てくる




「たつおくんいらっしゃーい」




 「涼香ちゃん会いたかった」




「涼香ったら〜いつも龍雄君に抱きついて〜やけちゃうわね〜」


 涼香ちゃんはよくハグをしてくる、好きな子に抱きつかれるのが嬉しくて特段用事が無くても会いに来ている




「何して遊ぼうか?」




「えっとねー神社ごっこ」




「またそれ?」




「わたし立派な宮司さんになるのー、はい、たつおくんはこっちにいてね私は祝詞のりとをよむから低頭して」


 涼香ちゃんの家に入り神棚のある部屋に行く言われた通り低頭する


「うん」


 涼香ちゃんは神棚の前に箒を置くとその前で紙を開く仕草をしてから


「かけまくもーかしこきーいざなぎのおーおーかみーかしこみーかしこみもーすー」


 二礼二拍手前に置いていた箒を手に持ち


「お祓いいたしますので低頭して下さい」


 言われるまま低頭する、頭の上で箒がブンブン振られる


「おなおりください」


 これが涼香ちゃんの神社ごっこ短いけどこれをすると満足する


「それじゃ何しようか?」


「魔法少女プリマジごっこ」


「よーし、出たなプリマジ今日こそ倒してくれるわー」


「違う、違うのーまだ変身してないんだからね」


「あ、そっかぎゃっはっはっはー木を切って人類を困らせてやるわー」「イケない!スモーキーがまたかんきよーはかいをしている、とめないと!」


 そう言って部屋を出て行く、しばらく暴れていると戻ってきた涼香ちゃんの手にはおもちゃのスティックが、カチッとボタンを押すと音が鳴りだすピロピロピン


「ちきゆーとじんるいをあいするたいよーのつかいプリマジサンシャインさんじよー!」


 スティックをクルクル回して変身の決めポーズを取る


「出たなプリマジサンシャイン!!」


 「スモーキーかんきよーはかいはやめなさい!」


「今日こそたおしてやるぜプリマジサンシャイン」


「たあープリマジサンシャインパーンチ」


 胸に良いパンチを食らうそこでボクは懐に入った涼香ちゃんを強く抱きしめる


「はっはっはっ、これで動きは止めたぞー」


「くっ、はなせっうっくっうぅぅ」


 涼香ちゃんの力が少し抜けるピロピロピン


「とうっ」


おもちゃの音と共に涼香ちゃんが元気になりボクの腕から抜け出す


「ははなるたいよーの力でかくせーしたプリマジサンシャインスーパーすいさん!!」


「なぁにぃパワーアップしただと!」


「あくはたいよーがゆるさない!プリマジササンシャインフラッーシュ!」


「うおおおー」


 ボクはその場で、もがきしゃがむ


「スモーキーあなたのその心もいつかすくってあげたい、いまはここで眠ってて」


 そう言いながら俺の頭を撫でる


「たつおくんかんぺきだよ!このあいだのやつみた?」


「見たよ涼香ちゃんと遊ぶ為にね」


「そっかーありがとう」


「エヘヘまーねー」


 涼香ちゃんと遊ぶならプリマジは必須だ


「じぁ、次は塗り絵しよう」


「塗り絵?」


「昨日プリマジの塗り絵買ってもらったのー」


「ってそれいっこだけじゃん」


「あ、そっかたつおくんの分なかったー」


「何か要らない白い紙ない?」


「紙?んーあったこれならいいよー」


「じあ、黒のペンもかしてー」


「はいどうぞ」


「ありがとう」


「どうするの?」


「塗り絵を写す」


「ん?」


「まず涼香ちゃんは普通に色塗りしてて」


「わかったー」


 涼香ちゃんは塗り絵を机に置き色鉛筆で塗りだすボクはその横で白い紙に涼香ちゃんが塗っている絵を描き写す、しばらく頑張っていると


「ただいまー」


「あ、珠お姉ちゃんお帰りなさーい」


「龍雄君来てたの?」


「…」


「あれ?龍雄君?」


「たつおくん珠お姉ちゃんが帰ってきたよ」


「え?」


「あ、こんにちは珠ちゃん」




「一体何してたの?」


珠ちゃんがボクが描いていた紙を見る


「プリマジの塗り絵を写してたの」


 あとちょっとで完成の写しを見せる


「たつおくんすごくじょうず!」




 涼香ちゃんが褒めてくれる


「すごーい龍雄君は絵が得意なんだね」


 珠ちゃんも褒めてくれる今のボクは鼻が高い


「ねぇねぇたつおくんプリマジサンシャインのこのポーズ描いて」


 涼香ちゃんが変身決めポーズをとる


「目の前に本物が無いと描けないよ」


「えーそうなの?」


「ほら、涼香龍雄君を困らせないの」


「うん、この描いた絵はどうするの?」


「後は色を塗ろうと思ってるよ」


「たつおくんの塗った絵見てみたーい」


「ちょっとまってね」


 アニメの色を思い出しながら塗って行く


「出来たー」


「たつおくんじょうず!これちょうだい」


「えへへ、いいよー」


「やったー」


 こんなに喜んでくれると嬉しいな


 そうだ、良いこと思い付いた


「それじゃあボク帰るね」


「え?帰るの?」


「あら〜?帰るの?お菓子持ってきたけど〜、どうする?」


「いただきます!」


「お母さん私の分ある?」


「ちゃんと珠お姉ちゃんの分あるわよ〜」


「お母さんたつおくん絵がじょうずなんだよ」


「あら〜じょうずね〜将来漫画家さんかな〜?」


「漫画家?」


「お話に〜、絵を付けてみんなに読んでもらう仕事よ〜」


「じゃあ、たつおくんは、将来漫画家だね」


「えへへありがとう」


 よくわかんないけど涼香ちゃんが喜んでくれるならいいや


「あ、じゃあ帰るねバイバーイ」


「バイバイ明日ねー」


 急いで帰って


「ただいまー」


「お帰りー栄さんの所に行ってたの?」


「うん」


 そう返事をしながら紙とペンを準備して録画していたプリマジをつける変身の決めポーズで止めてそれを見ながら紙に描く涼香ちゃんが言ってたやつだ、これを渡したら喜ぶだろうな。


「どうしたの?これを描いてるの?」


「うん、涼香ちゃんにあげるの」


「あらあら、喜んでくれると良いわね」


「うん!」


 結構手が難しいなズレちゃう


「龍雄上手いじゃない」


「涼香ちゃんと涼香ちゃんのお母さんと珠ちゃんも褒めてくれたんだ」


「それで気を良くしてこれを描いてるのね」


「できた!」


「あら、上手じゃない」


「よーし他のも描こうっと」


 それから他のポーズや顔を五枚ほど描いた


 次の日幼稚園で涼香ちゃんにわたすことにした


「涼香ちゃんはい、これ」


「え?何?わーこれプリマジサンシャインだ!」


「たつおくん描いてくれたの?」


「うん、涼香ちゃんにあげるよこのポーズ描いたんだよ」


「変身ポーズだ!たつおくんありがとう」


そう言って涼香ちゃんが抱き付いてくる


「えへへ、どういたしましてー」


 涼香ちゃんと楽しく話してたところに


「あーたつお涼香ちゃんと何してんだよー」


「ひっ」


 涼香ちゃんはボク以外の男の子が苦手だ、その原因のはじめが来た


「涼香ちゃんにボクが描いた絵をあげたんだ」


「たつおの絵?見せてみろよ」


「これだよ」


 他に描いてたプリマジを見せた


「おっすっげープリマジサンシャインじゃんボクにもちょうだい」


「別に良いよ」


「やったー」


 そう言ってふんだくるように取ってどこかへ行ってしまった


「たつおくん良かったの?」


「大丈夫まだあるから」


「うわーすっごーい」


 このやり取りを他の子にも見られてたので描いた絵のほとんどをあげる事になった、みんな喜んでくれたから良かった。この出来事が嬉しくていっぱいプリマジの絵を描いた、ある程度見本を見なくても描けるようになったその頃幼稚園の運動会があった、お昼休みにご飯を食べた後に男友達と遊んでいたらはじめのお父さんが話し掛けてきた


「龍雄君絵が上手なんだってね、おじさん絵を見てみたいな」


「いいけど紙とペンが無いよ」


「この棒で地面に描けば良いよ」


「おーなるほどじゃあ、待ってて今から描くよ」


 普段通りプリマジを描く良いのが描けた


「おじさんどう?」


「上手いよ龍雄君!君は大漫画家になれるよ絶対」


「大漫画家?」


「お話に合わせて絵を描いていろんな人に読んでもらうお仕事だよ、大漫画家にもなると大金持ちになってお嫁さん選びほうだいだよ」


「お嫁さんは一人だけだよおじさん」


「はっはっは、選びほうだいとは、好きになった子の中から自分で選べれるという意味さ今好きな子と結婚出来るってことさ」


「そうなの?」


「ああ、間違いない、今好きな子はいないのかい?」


「いるよ涼香ちゃんの事が大好き」


「そうかそうか、涼香ちゃんのために頑張らないとな」


「うんどうすれば大漫画家になれるの?」


「まずは色々な漫画を読んで勉強して漫画を描けばいいのさ」


「分かったおじさん教えてくれてありがとう」


 お母さんに漫画をいっぱい買ってもらおう、そして漫画を描くんだ!


「どういたしまして、ぐっふっふ」


 知夫かずおは走り去る龍雄に手を振りながら地面に描かれたプリマジを足で消して呟く


「また、一人脱落ふふふ」


 お父さんお母さんのいるところに戻ると


「お母さん漫画買ってー」


「何の漫画が欲しいの?」


「大漫画家になれる漫画」


「ん??」


「漫画の描き方が分かれば良いのか?」


「お父さんそうそれ!」


「今の年だと難しいかしら」


「え?難しいの?」


「龍雄、漫画を描く事は生半可ではないぞ」


「ボクは大漫画家になれるっておじさんが言ってたよ」


「おじさん?誰だ?」


はじめ君のお父さん」


「知夫余計なことを…、やりたいことは悪い事でない限りまずやらせてみるのがうちの方針だ漫画の描き方の本を買ってやろう、漫画描く分勉強も頑張るのだぞ龍雄」


「うん、頑張る」


 それからお父さんが漫画の描き方の本を買ってくれた難しい事がいっぱいあった、お父さんが難しいって言ってた通りだ道具も買ってもらってプリマジがスモーキーを倒す話の漫画を初めて描いた、いっぱい失敗したけど


「お母さん出来た」


「あら、凄いじゃない


よくできているわ」


「これ涼香ちゃんに見せてくる!」


 意気揚々と涼香ちゃんの家に行く


「涼香ちゃーん遊ぼー」


「たつおくーんいらっしゃい」


 涼香ちゃんがいつもの通り抱きしめてくれる


「涼香ちゃんに見せたいものがあるんだ」


「えー、なに?」


「コレだよ!」


 さっき出来た漫画を見せる


「何コレ?」


「漫画だよ、プリマジの」


「プリマジ?ほんとだすっごーい」


「ここからこっちに読むんだよ」


「えっと、あなたのこころをすくってあげるプリマジサンシャインゴッドフラッシュ!、ぐおぉぉぉ、スモーキーあなたはこれから木になってめぐみをみんなにあたえるよろこびをしればしあわせになれるわ、おわり、すっごーいこれプリマジのさいしゆーかいだー」


「えへへーすごいでしょがんばったからね!」


「おねえちゃんたつおくんなにしてるのー?」


「あ、れいなちゃんボクが描いた漫画を涼香ちゃんに見せてたんだー」


「まんが?」


「コレだよ!」


「プリマジ!」


「そうだよ」


「みせてー」


「れいないっしょにみよっかこっちすわって」


 玄関に座って声を出して読み出す、その度に礼奈ちゃんが喜ぶしかし漫画は短いからすぐに終わる


「もうおわり?」


「うん、さいしゆーかいだからね」


「もっとみたーい」


「こまったなーはなしはもうおわりだし」


「それならおはなしをつくったら?」


「え?あたらしくおはなしをつくるの?」


「うん、わたしたつおくんがかんがえたおはなしのプリマジみてみたい」


「まかせて!あたらしいおはなしのプリマジかいてくる!」


「あ、たつおくんいっちゃった」


 まずはプリマジがスモーキーを倒すでしょ、あれ?スモーキーはもう木になっちゃったぞ?んー?


テレビをつけるとプリマジフォクスのCMをしていた、これだ、プリマジフォクスの敵ゴーストンをサンシャインが倒せば良いんだ一緒にフォクスと戦えば面白いかも、早速フォクスとゴーストンの練習をする、話しを考えコマ割をして絵を描く作業に取り掛かって二日間に、できた!今時間なら涼香ちゃんに会える見せてこよう


「涼香ちゃーんあーそーぼー」


「たつおくーんきてくれたー」


 涼香ちゃんはいつも通り抱き付いてくる


「涼香ちゃん、まんがかいたよ見て」


 ボクはさっき描けた漫画を涼香ちゃんに見せる


「わー、ありがとう」


「えーっと、ゴーストンいいかかげんにしなさい、ひとをきよーふにおとしめてせいかつをむちやくちやにするのはゆるさないこのプリマジフォクスがせいばいする!プリマジフォクスしつぽビンタ!ゴゴゴースン!うっつよい…はあはあ、たすけにきたわよフォクス!あなたはサンシャイン!!あくはゆるさないプリマジサンシャインフラッシュ、ゴスゴスー、ありがとうサンシャイン、どういたしまして、おわり」


「すっごーいサンシャインとフォクスが一緒にでてる!」


「へっへーん、ボクがかんがえたんだ」


「すごいよたつおくん!てんさいだよ!」


「なんたって、ボクは大漫画家になるからね」


「なにそれー?」


「漫画をかいて大金持ちになって涼香ちゃんをおよめさんにできるしごとだよ!」


「え!わたしたつおくんのおよめさんになれるの!?」


「そうだよ!」


「やったーたつおくんやくそくね」


「うん!ボクは絶対に大漫画家になって涼香ちゃんをおよめさんにする!!」


「うん、わたしもたつおくんが大漫画家になったらたつおくんと結婚する!!」


「約束だよ!」


「うん、約束!」


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