第16話事の真相

 家に帰るとすでにお父さんが帰っていた




「あれお父さん、もう終わったのか?」


「ああ、取り調べ中に突然帰って良いと言われてな訳が分からんから少し聞いてみたら私は不起訴が濃厚と言われたんだ、さすが眷属様だ!ここまで詠んでいたとは」


 お父さんはうんうんと一人で納得している


ジリジリンジリジリン


 家の黒電話が鳴る




「はい、もしもし揖保川です、あっはい、はぁー、え!?はいそうでしたか、夫に伝えておきます」




 チリッン




 どうやらお父さん関係の様だ俺は昼ご飯だな宇佐美さんに会いに行くためまだ食べて無かったからな準備されていたきつねうどんを調理して食べる、うどんに甘いお揚げを入れる事を考えた人は天才だと思う黙々と食べているとお母さんが




「貴方、会社からの電話だったわ今から至急来てくれだって」




「ん?なんでまた急に」




はじめ君の要領が得られなかったのだけど、どうやら小黒麻呂さんと知夫さんが警察に任意同行で事情聴取されてるらしいの一君は二人がいなくてどうすれば良いのか分からないらしくて以前まで専務をしていたお父さんなら分かるかもと連絡したらしいの」


 二人が任意同行?あの時のパトカーはそのためか!




「なんだか不穏な話しだな今からいってくる」




「「行ってらっしゃい」」


 お父さんを見送って食後のコーヒーを飲んでいると命が機嫌良さそうにやってきた




「お父さんは明日からでも復帰出来るよ」




「そうなのか?眷属様達はどこまで未来を把握してたんだ?」


 色々上手く行きすぎてなんだか怖い




「今日中に小黒麻呂と知夫の逮捕まで行くかどうかーぐらいまでが分岐点、元々逮捕は確定だったけど、なるべく早くお父さんを復帰させたかったからテコ入れしたの」




「え?二人が逮捕されたのか!?」




「ちょちょっとそれ本当!?」


 自身の昼食を調理していたお母さんが飛んでやって来た




「うん、全ての元凶だからね」




「全て??」


「沼田にやらせた他企業を貶める嘘拡散とお父さんに罪をなすりつけるための虚偽発言の強要」




「そんな事があったのか」




「あー小黒麻呂さん達ならやりそう、納得しちゃうわ」


 お母さんは思うところが有ったらしい




「元々あの二人は嫌いだと思ってたけど犯罪までやらかすとは思わなかったな」




「そうでも無いのよ、お父さんが優秀で焦ってたと思うわ」


 お母さんには心当たりがあるようだ




「犯罪するほど焦ってたのか?」




「なりふり構ってられないほどだったかもね」




「お父さんが優秀だと何が駄目なんだ?」




「小黒麻呂さんの次の代表取締役がお父さんになりそうだったの」




 どうやらお母さんの話をまとめると、同族経営のうちの会社は株をお爺さんの代から兄弟で分配して、役員の人事をお爺さんの兄弟で話し合って決めていた、お爺さんとその兄弟は小黒麻呂大叔父さん以外他界したので(一人大伯母さんがいるが女性ということで重要な役員にされてない)株が相続されお父さん世代が発言権を持ったけどお父さんの従兄弟のほとんどが違う所に就職して株の配当金を貰うようにしているので、配当金が上がるように業績を上げてくれる人になって欲しい中で次の役員選考人事はお父さんと知夫の二人だけ、知夫の悪い噂は親戚の中でも有名で逆にお父さんは優秀ときたもんだから、その期待から専務はお父さん、常務を知夫という人事となった、暗に次の代表取締役はお父さんだと示された形になったので、代表取締役になりたい知夫と、息子の知夫を代表取締役にしたい小黒麻呂の二人が考えたのがお父さんの蹴落とし




「あと、龍雄のことも目障りだったのかも」




「え、俺?」




「知夫の人望のなさは分かるでしょ?」




「そうだな、社内でも最悪だよ」




「親戚の中ではお父さんを長く代表取締役をして貰って次をその間に育った龍雄を代表取締役にして知夫は常務止まりにしてしまおうという話もあったの」




「初耳なんだけど!」




「大きな声で言えないからね、でもどこかでその話しを聞いてしまってたかもね」




「だから長く代表取締役でいられるお父さんには出て行ってもらいたかった訳か」


 今思うと前から異常に俺を余所へ就職させようと必死だったな俺が役員入りして知夫を抜かさないようにしたかったのか




「さあ、これから大変よ二人の有責が確定なら民事裁判にも影響が出る可能性があるわ」


 お母さんのいう通りだこれからの事を考えよう




「会社に大きな責任追求が来るね、賠償額が膨らむな…ハァ」


 会社の事を考えると先が思いやられる




「私達がいるから大丈夫!」


 命と命の後ろにいた四神獣達が気合いを入れている




「ありがとうもしも駄目な時に頼むな」




「うん!」




「「「「はい!」」」」

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