第14話涼香と話した次の朝(夢から)
「ボクは絶対に大漫画家になって涼香ちゃんをお嫁さんにする!!」
「うん、わたしもたつおくんが大漫画家になったらたつおくんと結婚する!!」
「約束だよ!」
「うん、約束!」
懐かしい夢を見た、今思えば恥ずかしい約束、世間も何も知らない5歳の時にした約束だから引きずる物でも無いはずだったが意地を張りすぎた、大漫画家になることは大人になるに連れて現実を見て諦めてしまったけど結婚の約束をしたものだから意地になってた、諦めたのならその事を涼香にはちゃんと話しておけば良かったな、目的と手段があべこべになってしまった、今更ながらそれが一番恥ずかしい昨日涼香と話して、漫画家はどうでも良くなった、自分が何を求めてたのか再確認させられた、涼香と結婚するならしっかり仕事をしないとな、お父さんに相談したら
「コウ様セツ様がおっしゃるには私が会社に復帰出来るようにして下さるらしいので、このまま仕事をしっかり続けるように」
っと言われた命に確認してみると
「お兄ちゃんは何も心配しなくていいよもし何かあったら私が全力でなんとかするから、今から大漫画家になる?」
「いや、実力が
命は俺を甘やかしてくる、なんか人として駄目になりそうで怖い
命に助けを求めるのは本当にどうしようも無いときだな。昨日涼香と話した後は目出度いということで両家で食事をしに行ったその席でお父さん達に揶揄からかわれたけど、涼香と結婚が出来る喜びの前では微々たる物だ、家に帰って仕事の事をお父さんと話してから自分の部屋を見て焦った掃除をしないと!別に汚い訳じゃ無いが、見られたくない物ってあるじゃん?男の子って、もう急いで資料用と言いながら買っていたちょっとエッチなフィギュアとかをしまっておいた
そして次の日すがすがしい朝だ!仕事に行く事に気合いが入るこうも、変わるものか心待ちで
「おはようお父さんお母さん、命達もいたのか、おはよう」
「龍雄おはよう」
お母さんは朝食の準備をしていた様だ
「おはよう龍雄やけに機嫌が良さそうじゃないか」
お父さんがにやけた顔で挨拶をしてくる
「にやにやしながら言うなよ分かってるくせに」
「お兄ちゃんおはよう」
「「「「ご主人様おはよう御座います」」」」
四神獣達のあいさつは息が揃っているな
「命達はご飯が要らないから昨日の朝はダイニングに来なかったけど今日はどうしたんだ?」
「実は私が仕事復帰するなら会社に以前あったお稲荷様の社を建て治そうと思ってな相談してたんだ」
「会社に社?そんなのあったか?」
「お前が大学生ぐらいの時に取り壊されたからな」
「え?なんで壊したんだ?」
「今の取締役が要らないと言って
「その事に関しては先輩達も怒ってるよ」
「うおぉ誠に申し訳ない叔父さんの独断とは言え止められなかった事、平に平にご容赦を!!」
お父さんはテーブルに頭を打ち付けて礼をする(土下座の座位版)、よく見るとお父さんの前には以前見た白いモヤが二つあった
「先輩達はお父さんに責任を問うつもりは無いって」
「ありがとう御座います!!」
「四神獣達は立ったままでいいのか?」
「我々はこのままで大丈夫ですお気遣いありがとう御座います」
四神獣達の中で纏め役は玄武なのかな、四人の代表としてよく話す
「そういえばきょうの分の力を今からわたそうか?」
「龍雄様が宜しければ宜しくお願いいたします」
「ちょうど、気が向いた今からやるか」
それぞれに力を与える、っと言っても元気になれと考えながら頭を撫でるだけなんだけどな
「うみゃー気持ちいいですぅー」
「うおぉ?おおー!?」
「はふぅ幸せがいっぱいでございます」
「これは、またすごいですな」
幸せそうな顔をされるとこちらも嬉しくなるな、因みに力を与える順番は4人の中で決まっているらしくまずは白虎、朱雀、青龍、玄武の順になる
「それじゃあご飯ご飯」
朝はパン派だ食パンをトーストしてバターをたっぷり塗ってかぶりつく
「龍雄、ちゃんと神棚と会社の社を奉り続けるのだぞ」
「分かってるよ、こんな事があって知らぬ存ぜぬなんて出来ねーよ」
「それならば良い叔父さんの行いはもっての外だ眷属様だけでなく私も怒っていたんだ私が代表取締役になった暁には
「なんか色々申し訳ない」
間接的に俺のせいだったらしいし
「大丈夫、先輩達はお父さんと間接的に話せると喜んでいるよ」
命がコウ様セツ様の見解を教えてくれる
「そうだったのですか私もコウ様セツ様、眷属様方とお話しできて感激しておりますっ!!くぅー」
お父さんがむせび泣いている
「私達神霊は現世で善悪関係なく成果を出すためにした努力を否定しないんだよ、だから悪いやつらがはびこるし、のうのうと生きているの、ただ神霊だって感情があるから、怒らせると現世に手を出しにくいとは言っても色々な形で罰を与えるの、だから今回の事件を引き起こした者の行動を直接止める事はできなかったし、無かったことにするとかは出来ないの」
「あれ?俺の行動関係なくない?」
「間接的に、事件を起こそうと思わせ無いようには出来たらしいよ」
「重ね重ね申し訳ありません」
結局俺が悪いじゃん
「それを言えば私だって御免なさいだよ私のわがままでお兄ちゃんをあそこまで連れてきてって先輩達に頼んだからこんな事になったんだよ」
「そうだったのか、どうしてあの場所に拘ったんだ?」
「あの時お兄ちゃんに渡した力、いわゆる魂の欠片が脆くて祟道明神の神域の外に出れなかったのと、前世のお兄ちゃんがこっちに来てくれるって約束してくれたのを待ってたから、本当は四神獣達に頼んで呼んできて貰っても良かったけど、あっちで眷属見習いの仕事を頼んでたから忙しくて無理だったの御免なさい」
命がしおらしく頭を下げる
「命が謝る事じゃ無いぞ結局前世を含めて俺が悪い」
「ほら、謝ってばかりしてないでこれからの事を話しましょ」
お母さんが謝罪のループを断ち切る
「そうだな、龍雄、私はすぐに復帰するから涼香ちゃんと仲良くなっておけ結婚は間近だと思っておくように」
「そんなに裁判すぐに終わらないだろ?」
「眷属様がなるべく早く終わるようにしてくださるらしい」
「マジかよ!すげぇな!」
「元々筋道が出来てたんだよ、ちょっとだけ修正したけど」
「今の状況は織り込み済みだったのか」
裁判結果を心配してたのが馬鹿らしいな
「涼香と結婚ができるのなら俺は頑張るぜ」
「龍雄が、結婚を前向きに!?」
お父さんが上半身を仰け反り驚きだす
「こんなことになるなんて信じられないわね〜」
「二人とも酷いこと言いやがって」
「今までの言動を思い出してみろ」
「あー、俺だってあれだけされたら考えも変わるさ仕事行ってくる」
逃げるように仕事へ向かう今までの行動は自分でも恥ずかしいからな
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