第13話涼香と話し合う(お若い者同士でごゆっくり)

 突然言わせた感があったので、許嫁という形に落とし込むことになった、裁判が終わるまでにちゃんとしたプロポーズをしておくようにと、釘を刺された、ここまでされたんだ涼香とはちゃんと向き合わないとな




「んふふっ、おもかる石のお願いが叶ったわぁ」




「そういえばあの時お母さんは軽いとか言ってたよね、願いなんだったの?」




「今回の企てが上手く行きますようにって願ったの」




「ん?ちょっと待って、昨日の段階で話しが出来上がってたのか?」




「実は占い師にお父さんの事の他に龍雄の事も聞いてたのその結果を栄さん達に言っておいたのよ、その時に涼香ちゃんも了承してくれたの」




「あの時か!わざわざ占い結果を報告に何で行くのか変だと思った」




「その時、涼香お姉ちゃん、京都にたつお兄ちゃんを待っている人がいるって聞いて動揺してたんだから」




「こら礼奈黙りなさい!」




「お姉ちゃんもたつお兄ちゃんと積極的に話すべきだよ、ちゃんと思っている事を伝えないとたつお兄ちゃん恋愛に鈍感なんだから、あまり伝えなかった結果が20年ぐらい待たされたんだよ」


 うっ、礼奈が俺にも響く事を言って胸に刺さる




「分かったわよ、これから今までの分を取り戻すわ」


 涼香がキッと俺を見る




「今まですまなかっな」


その視線に臆するが、自分に非があるのだからまずは謝る




「いえ、私の方こそ変な約束して龍雄が壊れないか心配だったのごめんなさい」




「そんな事を思ってたのか?」


「後は〜、若い者同士で〜話した方が良いわね〜」


 間延びした話し方の千歳さんがお見合いの定番を言い出す




「そうですな、年寄りは退散しましょうか」


 お父さんは頑張れよと顔で言っている、なんかそのしたり顔ムカつく




「え?私はまだ若いよ?」

 戸惑う礼奈



「はいはい、礼奈ちゃん空気読みましょうね」




「珠お姉ちゃんは年寄りの方なんだ?」




「礼奈ちゃん、こっちでじっくり、じーっくり話しましょ」




「やだっ、目が本気なんだけど、場を和ます冗談だよ〜」




「んふふふ、分かってるわよ」




「絶対分かってないよね?なんで耳引っ張るの!?」


 嵐のように去って行くみんな、普通そそくさと去るものだろ




「まあ、いいや、涼香今日すごくお洒落しているな、凄く綺麗だぞ」


 こちらに来た当初は涼香を直視出来なかったので気づかなかった


普段後ろに束ねている髪留めが豪華で髪に何かキラキラしたかんざしみたいなものを刺している髪のツヤも良くマツゲは長い、くっきりとしている、唇は潤いのある少し薄めの赤色、頬に薄くチークを入れてケバくならないラフではあるけど涼香の良さを引き立てるメイクをしているうん、綺麗だなまた惚れてしまった




「ありがとう、絶対に今日決めたかったから」




「上手く乗せられてしまったな、でも、なんだかすがすがしいな、気を張ってたのが馬鹿らしいぐらいだ」




「こうやって二人だけで話すの久しぶりね」




「そうだな、確か高校の進路決めの時に涼香に言われた事がショックで疎遠になって以来だな」




「あの時はごめんなさいね、あなたの気持ちを考えずに、言っちゃって」




「いや、今ならあの時言ってくれて良かったと思えるよ、それに俺のために言ってくれたんだと分かるあの時点で約束なんてもうどうでもよかったんだな?」




「うん、約束に拘りすぎて駄目な方向へ行かないか心配だったの」




「ありがとうな、今ここにいるのも涼香のお陰だ」




「私が離したくなかっただけなんだけどね」




「そういえば涼香はなんで俺のことそこまで好きだったんだ?」




「龍雄といると安心出来たの、小さい時男の人が苦手だったのに」




「幼馴染みで慣れてたからじゃないか?」




「保育園の時から知っているはじめは駄目だけどね」




「あれを掛け合いに出すなよ俺の良さが分からなくなる」




「んふふ、ごめんね、はっきり言ってしまえば一目惚れかな」




「なんだ俺と一緒だ」




「お互い一目惚れで、結婚の約束して20年よく思い続けたわね」




「一途にもほどがあるよな、涼香以外眼中になかったからな」




「私もよ、でも、龍雄の事が好きな子結構いたのよ、私気が気じゃなかったんだから」




「それをいえば涼香なんて男子の中じゃお嫁さんにしたいランキングで毎回上位にいたんだぞ」




「そうなの?それなら龍雄はもっと焦って私にモーション掛けてくれてもよかったのに」




「なんていうかな、涼香を信頼してたから他の男になびかないって」




「その信頼は嬉しいけどもっと話しかけてほしかったんだからね」




「ごめん、約束の事ばかり気にしてたんだ」




「やっぱりそうだったのね、ちょっとあの時に約束したこと後悔してたんだから」




「すまん、もっと涼香といる時間を作るべきだったな」




「これから取り戻しましょ」




「そうだな、でも、学生気分なんて抜けてるし、どうしたものかなぁ、どこか行きたい所あるか?」




「すでに近場は知り尽くしてるし別にこれといっては無いかな」




「だよなー」




「そうだ、久しぶりに龍雄の家に行きたい」




「え?何もないぞ?」




「最近の龍雄の趣味趣向が知りたいの」




「な!俺の部屋を物色する気か!?」




「最近の龍雄の事は桜お母様からしか聞いてないもん」




「大体お母さんに把握されつくされているから今考えている想像上の俺と余り変わら無いぞ、だから部屋なんて見なくても」




「龍雄が描いた漫画を読んでみたいの」




「それが本心か!?」




「ほら、約束なんだし、良いじゃない」


 約束を出されると、ちょっと困る…




「じゃあ、明日同じ時間位にいくからね」




「おう、残業さえ無ければ大丈夫だ」

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