第12話命達を紹介のはずが…

 命達の事を栄さん達に紹介する、変身を目の当たりにしていたので理解が早い、命が眷属見習いと紹介すると少し命に対して尊敬語を使い出したが、命が普段通りで良いと言ったので尊敬語は辞める事にしたが完璧に抜けはしていない


 紹介の途中で四神獣達に力を与えるところも見せた、昨日の続きで朱雀青龍玄武の順番でやった、今日は二人と一人が半分分の霊力を与えたが意識は問題なかった命が言うには体が霊的なものに触れる事で慣れてきたとの事、命も欲しいと言うので頭を撫でようと思ったら俺の膝に頭を乗せてきて、所謂膝枕状態で頭を撫でていると、礼奈が




「私もたつお兄ちゃんにしてもらいたい!」


 と言い出したのでさあ大変




「礼奈!辞めなさい!嫁入り前になんて事を!」


 涼香が嗜める




「えー、いいじゃーん、たつお兄ちゃんはお兄ちゃんなんだし」




「あなたもう二十三歳でしょ!慎みなさい」




「命ちゃんなんて千三百歳だからセーフ」


 命の歳は実は今日この場で話の途中に知った




「じゃあ私も大丈夫ね」




「ちょっと姉さん!?」




「そうカリカリしないの、涼香もしてもらえば良いじゃない」




「そっそっそっそんなっことっ!」




「ね?龍雄君涼香にもやってあげて?」




「あっ、はっはい…」


「ちょっと姉さん勝手に!」


 勝手に進む話について行けず、咄嗟に頷いてしまった!どうしよう…涼香を撫でるなんて幼稚園の時でもやったことないぞ、頭の中がぐるぐるしながら命を撫でていると段々落ち着いてきた、命の幸せそうな顔を見ていると余裕が出来てきた




「お兄ちゃんありがとう、やっぱりお兄ちゃんの力は気持ちいいよまた今度宜しくね」


 命が九尾の尻尾を激しく揺らしながら次の約束までしてくる




「ああ、良いぞ」


 俺も幸せな気持ちになれるから願ったりだ


 ちなみに耳は触れなかった、白虎の時と同じでちょっと残念




「じぁあ次私ねたつお兄ちゃん」


 礼奈が俺の膝に頭を乗せる




「そんな、膝枕まで!?」




「はいはい、涼香は黙ってましょうね〜こうすればあなたもやってもらえるわよ」




「うっ、うん」


 なんだか涼香と珠姉さんがひそひそ話をしている、まあ礼奈を撫でるか、ナデナデ




「ふわあぁぁー何この幸福感…すぅぅ」


 あれ?礼奈寝てない?撫でるのを辞めて顔を覗いてみる、やっぱり寝てる




「あら?礼奈ちゃん寝ちゃたの?」


珠姉さんが礼奈を見る




「ハッ!寝てた!?」




「もう、寝不足は駄目よ?」




「違うよ珠お姉ちゃん撫でられた瞬間記憶が無いの!」




「もう、次は私よ龍雄君お願いね」




「あっ、はい」


 珠姉さんも膝枕をしてくる、同じ様に撫でるナデナデ




「あっぁぁぁ…すぅぅ」




「珠お姉ちゃんやっぱり寝てるじゃない」




「あ、本当だ、これどうしよう?」




「次は私ねほら、姉さん起きて」




「ふぇ?涼香?どうしたの?」




「どうしたの、じゃないわよ姉さんも寝てたの」




「そんなわけ無いわよだって撫でてもらったの一瞬よ?」




「そこから記憶が無いだけでしょ、はい次私ね」


 涼香も膝枕をしてくるさっきまで落ち着いてたのに心臓がバクバク言っている少し深呼吸をして涼香を撫でるナデナデ




「うあっ…うぅすぅ」




「やっぱり涼香だって寝てるじゃない」




「ここは写真撮っておこ」


 礼奈がスマホを構える




「あ、礼奈辞め」


 カシャッ


 止める間も無く問答無用で写真を撮った礼奈の後ろではお父さんと珠姉さんと忠邦さんがニヤニヤしながらこちらを見ている命は羨ましそうに見ている




「あ、たつお兄ちゃんはまだそのまま涼香お姉ちゃんを撫でてて」


 そう言いながら礼奈は親指をたてながらスマホを構える


 何を言っても無駄だろう諦め涼香を見るよく寝ているな




『うっ、ヤバイ、こんな時に屁が出そう』


 こんなに寝てるし気づかれないかもしれない




「スースー」


 よく寝てやがる大丈夫か?我慢しすぎて冷や汗が出てくる音が鳴らないように体を少しずらす




「んっ、」


 その動きに反応して涼香が身じろぎをする




『ヤバイ、目が覚めたか?これはいかん』


 ナデナデ再び寝かせればこちらのもの!




「ふぅ、龍雄ぉ」


 「ん?」


 寝言か?でも、マジでヤバイ!涼香の頭を優しく床に移して




「ちょっとトイレ」


そそくさと立ち去る




「すきぃ…ん?あれ!?龍雄は?」




「トイレだって、涼香お姉ちゃんも寝てたでしょ?」




「何あれ始めは緊張してたのに幸せで一杯になってそれから記憶が無い…」




「忠邦さんどう思います?」




「うぅむ、これは正虎さんの言う通りにすべきでしょうか…」




「はーい、揖保川さんから頂いたお菓子とお茶ですよー」




「鮎モナカじゃん、これ美味しいんだよねなんで鮎の形にしたら美味しいんだろう?」


 礼奈は喜び、盆に乗せられた鮎最中を真っ先に取り、食べ始める




「さあ?配合とか違うのかもね、はいお茶」




「ありがとう涼香お姉ちゃん」




「私達は要らないから食べちゃってね」




「命ちゃん達要らないの?じゃあ涼香お姉ちゃん、はい」




「え?ありがとう他のみんなは?」




「これは私達からのお礼ですから栄さん達で食べて下さい」




「有難う御座います桜おばさま」




「そうなると礼奈達が二つずつだね、はいお父さんお母さん、はい珠お姉ちゃん」




「正虎さん、それでは頂きます」


 


「どうぞどうぞ」




「はースッとした」




「あっ、たつお兄ちゃん鮎モナカだよ確か好きだったよね?」




「ん?ああ好きだぞあれ?礼奈達は二つなのか?」




「命ちゃん達が要らないって」




「あ、そういやそうだったな」




「ほら、涼香お姉ちゃんたつお兄ちゃん好きなんだって後の一つ分けてあげなよ」




「まあ、いいわよ、ほらどうぞ」


 涼香が胴体部分から二つに割って尻尾の方を俺に差し出す。俺が尻尾の方が好きなこと覚えてくれてたようだ




「おう、ありがとう」


 くっ、ちょっとした事だが覚えてくれていて嬉しくて、こっぱずかしい最低限の返事しか出来ない




「命ちゃんの話では今回の問題は無事に終わらすとのこ事、そこで今回の件が無事終わり次第龍雄と涼香ちゃんの婚約を認めて頂きたい」


 お父さんが忠邦さんに頭を下げるそれに合わせお母さんも下げる




「え!!お父さん急に何言ってんだよ!?」




「別に急ではないぞ、忠邦さんとは前から話していたことだ、涼香ちゃんも了承している後はお前が頷くだけだ」




「なっ!そんな事になってたなんて」


 涼香が了承しているだと!?咄嗟に涼香を見る




「龍雄、私は良いよ、本当は龍雄からプロポーズして欲しかったけどもう待てなかったから」




「すっすまん、こんな形になって」


 涼香の言葉に申し訳ない気持ちで一杯になった、自分の拘りに囚われていたばかりに涼香を待たせてしまっていた…ん?ということは




「涼香あの時の約束覚えているのか!?」




「うん、覚えてるよ」


 あの黒歴史を覚えていたのか!




「うわっ恥ずかしい!!」




「たつお兄ちゃん、私も知ってるよ」




「へ?」




「龍雄君、お姉ちゃんも知ってるわ」




「えーー!!」




「ごめん龍雄、あの時嬉しくて家族みんなに言ったの」




「そんな…はっ!そういえばあの時ぐらいから礼奈がお兄ちゃんとか言い出したし、珠姉さんは姉と呼ぶように言ってきたような」




「外堀から埋める作戦を当時わたしが教えたの〜」




「千歳おばさん…」




「もう、これからは〜おばさんじゃなくお母さんって呼んでね〜」




「は、はい千歳お母さん」




「よかった〜これで決まりね〜」




「ん?は!?まだ了承しては」




「はい、涼香お姉ちゃんはこっち」


 礼奈が涼香を俺の隣に座らせる涼香は少し俺との間を開けて




「不束者ですが宜しくお願いします」


顔を赤くしながら三つ指をつく、約束を守れてない事を分かっていて言っている、それが分かった途端憑きものが降りた気がした




「約束守れなくて不甲斐ない俺でごめんな、こんな俺だけど結婚してくれ」

 ここで俺が言わなくてどうする!頭は真っ白だけど勢いで言い切る



「はい、喜んで!」

 涼香は涙を含めながら返事をしてくれる



「くうぅ目の前で娘がプロポーズされる所を見る事になるとは」

 忠邦さんが涙を拭っている



「珠お姉ちゃん、プロポーズを無理やり言わせた状態だけど良かったのかな?」




「龍雄君はこれぐらいしないと無理だろうし涼香の幸せそうな顔を見ると良かったと思うわよ」

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