第10話再従兄弟の変わり様

 再従兄弟で同年の揖保川一いぼがわはじめ現在の常務、彼も父親に似て女好き大学生の頃から学業ほったらかしで女遊びをしていた高校生の時に涼香すずかに告白して振られてから手当たり次第女に告白しまくり女子から相手にされなくなった、そんな奴でも結婚をした、だが浮気しまくりで家庭崩壊間近と噂されている性格は親(和夫)があれである事から察して欲しい余り関わりたくない踵を返そうとしたが目が合ってしまった




「よう龍雄一杯奢ってやるぜ」


 今までの言動を考えると言いもしない事を突然言われたので反応に困る




「お、おう有難う」


 無難に波風立てないようにしておく




「出口先輩もどうです?」


  はじめは出口先輩にまで勧める、一体どうなってるんだ?




「わりぃなこのコーヒー頼むわミルク多めで」




「これですね」




はじめ今日ご機嫌だな」


 いつもと雰囲気が違う、何か良いことでもあったか?




「実は妻が猫拾ってきてさ、これが可愛くて可愛くて久しぶりに妻との会話が弾んで落ち着いた気分で寝れたんだよ」




「え?いつもの夜遊びは?」




「ああそんなのしてる暇ねぇよミィ子のために餌やトイレ、寝床を買う必要があったんだ」




「ミィ子?」




「三毛猫でみぃみぃ鳴くからミィ子に決めたんだ結構妻と長い時間考えたんだぜ良い名前だろ?」




「それは分かりやすくて良いな」


 他人のペットの名前を貶せる図太い神経は持ち合わせて無いので同意しておく




「そうだろ?妻も絶賛してたぜ」


 一は妻である百合さんの話を前まで意識的に避けてたはずなんだけどな、一体どうしたんだ??




「今日はオモチャを買って帰るんだ」




「そうか、良いやつあるといいな」




「あー早く帰りたいぜ」




「そうだ、動画撮ったんだ、見てくれよ」


 そこには三毛猫が百合さんの頬に肉球を押し当てていた




その度に黒いモヤが百合さんの後ろから霧散している




「可愛いだろ?俺にも肉球タッチしてくれるんだぜ」




「可愛いな、どこで拾ったんだ?」




「家の前で鳴いてたらしい、妻が捕まえようとしても逃げる素振りをしないどころか寄ってきたらしいんだこれはもう運命だな」


 休憩時間の最後までこの調子でデレデレだった




「あいつがああなるとはな」


出口先輩も驚いていた

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