年賀状で蘇る感情

うさ田ケリー

年賀状から派生した気付き

ここ数年、時代が変わるな〜と思ったことの一つに年賀状がある

勤務先に『年賀状辞めます!』という知らせが、得意先仕入先に関わらずあちこちからやってくるようになった

年賀状離れの話は前からあったが、いよいよキッパリ宣言して辞めると言う流れができつつあるなと肌身で感じた

その事にもいろいろ感じる事はあるが、長くなるので今回はやめとこ。


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さて、元日には我が家にも年賀状が届いた

(あまり友達がいないのでビックリするくらい数は少ない)

その中には私が新卒で入った会社でお世話になった女性の先輩Aさんからの年賀状もあった

いまだにAさんから年賀状が届くたび、少し胸の辺りがチクっとなる


Aさんとは今では年賀状だけのやり取りで、最後に会ったのはもう20年くらい前になる

真面目な人で、その真面目さ故に結構厳しい先輩だったが、学生気分が抜けないボーッとした新入社員の私を、叱りながらも手取り足取り丁寧に指導してくれた大好きな先輩だった


私の方が先に会社を辞め、一時疎遠になっていたが、私が結婚する際に手紙でお知らせしたのを機に年賀状でのやり取りが復活したのだ


そして私には子供が生まれ、特に何も考えずに子供の写真付き年賀状を出すようになった


Aさんも私が会社を辞めるタイミングと同じくらいに結婚していたのだが、頂く年賀状にはAさんと旦那様の名前のみだった


子供の写真付き年賀状を出すようになって何回目かの年に、うちのダンナがふと言った

『もしかしてAさんの所って(欲しくても)子供できないのかな』

(Aさんは私とダンナの共通の知人なのだ)


私はハッとした

本当に恥ずかしい話だが、子供の写真付き年賀状を出すことに何の意識もなかったが、もしAさんの所が子供が欲しいのに出来ない事情があったなら…

私は何て無神経な事をしていたのだろう、と急に胸がキューっとなった

私はAさんも、Aさんの旦那様も子供好きな事を昔聞いたことがあった

それなのに年賀状を出す際に全くそこまで意識が向かなかった


あくまで私の中での想像でAさんに確認した訳ではない

だからAさんの本心はわからないままなのだが、欲しいのに子供ができないと言うのは本当にメンタル病むくらい深刻だ、と思う

私は決して同じ立場ではないが、2人目の子供は望めそうにないと確定した時には長らくショックから立ち直れなかった


悪意はないとわかっていても

『子供が産まれました!』

『うちの子、1年でこんなに大きくりました!』

こんな年賀状をもらってどんな気持ちだろう

そんな事を想像して物凄く落ち込んだ

そして子供の有無に関わらず、もらう側の方の気持ちをもっと想像すれば良かった、と深く考えさせられた


そして翌年からはどの方にも子供の写真付き年賀状を出すのは止めた


今年のAさんからの年賀状には変わらず

『今年こそ飲みに行こうぜ〜』

なんて嬉しいことを書いて送って来てくださる

今年は私から連絡を取って、久しぶりに昔話に花を咲かそうかと考えている

                    《完》








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年賀状で蘇る感情 うさ田ケリー @shan-naka

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