第4話

その当時の楽しみがあって、これがあんま理解されないんだけどクラブで本を読む事なんだ。


え?信じられない?


いやいや。これがどうして。


あのうるさく熱狂的な店内の端っこで、酒を飲みながら本を読むんだ。


読みにくい事なんてない。


紙の上の文字が踊りだして、目の前で話の風景を描いていくんだ。


たまらなく楽しい時間だ。


まぁ、そのせいで仲間内からさんざん爺臭いって言われたけどね。


別にいいんだ。


俺は俺。


誰かの目を気にして好きな事をやめるなんて、そんな馬鹿なこと出来ない。


それよりそんな俺を軽蔑する奴らとは、こっちからごめんだ。


俺を理解してくれる奴と付き合えばいい。


……そうそういないけどな。

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