第44話
「…な、なんですか?」
ヨシキから視線を外した若葉は、自分の命がこの得体の知れない男の手の中にあることも理解した。
「なんで…追いかけてくるんですか?」
「逃げたからだろ」
鼻で笑うヨシキが近づいてくる気配がする。
咄嗟にソファーから飛び降りようとした若葉だったが手首をつかまれて、その拍子に小さな箱がヨシキの胸元に手繰り寄せられる。
「放して!!」
奪われまいとヨシキの胸を押しのけるが、逆に力強く押しのけられ、箱を手放してしまった若葉はソファーから転げ落ちた。
「やめて!!」
尻餅をついた若葉が見たのは、ヨシキが興味深そうにその箱を開ける光景。
ヨシキは手の中でその箱を開けると、盛大な失笑を聞かせてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます