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第25話
『さー皆様お待ちかねのショータイムです!今宵最後のショーは可愛いキャストたちにより、よりいっそう妖艶なものになること間違いなし!!』
ドアを開いた瞬間、さらに奥のドアの向こう、秘密めいた空間から威勢のいい声を聞いた。
ヨシキは入場料を請求してきたドアマンを押しのけると躊躇いなく奥のドアを開いた。
慌てるドアマンをいさめるタカオの声が背後に聞こえる。
しかしそれ以上に目の前の光景に意識が集中してしまう。
ほとんど下着姿の女達が意味深にポールに体を絡め、欲望を煽るような腰つきで踊っている。
ヒールを履いた長い脚を振りかざし、胸を突き出し、ねだるような目つきで客の男らを挑発していた。
色とりどりの照明が目まぐるしく展開し、強制的に高揚感を煽られ、いやおうなしに興奮してくる。
ヨシキは当初の目的をいったん忘れて、その場に腕を組んでしばらくその光景を眺めていた。
なるほど、凄いビジネスだ。
後ろのドアの向こうに現実世界が待っているなんて、一瞬して忘れられる。
まっとうな人間ならここに逃避に来るのがヨシキにはよく分かった。
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