第24話
「タカオ。戻るぞ」
「え?」
「マーベラスに戻る」
「…でももう獲物はいないんじゃないですか?」
「獲物はいなくても女は分かる。そいつの居場所を聞き出せば分かるはずだ」
キョトンとするタカオにヨシキはスーツの襟を正しながら「急ぐぞ」と急かす。
これで少しは希望が持てた。少なくとも手土産なしで今日が終わる事はなさそうだ。
さっさと片付けて今度こそ帰ってドラマを見る。そんな虚ろな日常が今は一段と恋しい。
ヨシキは数人の男が転がった室内を一瞥するとドアに向かった。
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