第22話

「わ、分かった。待ってくれ。言うから…待ってくれ」


「早く言いやがれ」


「あいつは今日繁華街にあるマーベラスって店に行ってるはずだ!」


「ハッタリ言うな」


「本当だ!昼間会ったとき、あそこに行って最後にするって行ってたんだ」


「は?それが証拠かよ?ガキじゃあるまいし」


「信じてくれ…きっと行ってるから…」


「さっき11時半から一時間張り込んでもそんな奴みかけなかった」


「じ、時間が悪かったんだ。頼むよ。信じてくれ」


「…クソが」



ヨシキは忌々しげに呟くと銃を下ろして髪をかきむしった。これで振り出しに戻るわけだ。


またあの薄汚い路地裏から、暖かく幸せに満ち溢れた通りを盗み見なきゃいけないのか。


ヨシキは躊躇った。出来るならもう戻りたくない。しかも戻った所で獲物がいる確立はゼロに等しい。

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