第21話

「お前はまだ元気そうだな?」


「…てめぇ」


「口が悪いのは同じだから、威勢よくしても脅しになんねえよ」



ヨシキは腹ばいのまま上体を起こした相手の顔に煙を吹きかけた。「そう最初に言ったろ?」



「大人しく情報を教えれば目瞑ってやるよ」


「クソ野郎が」


「もっとマシな褒め言葉吐け」



うんざりとしながらヨシキは煙草の火を足元でもみ消す。



「もう一度聞く。タカヒロはどこにいる?」


「…」


「…上等じゃねえか」



相手にたった3秒の沈黙も許さないのか、ヨシキは冷徹な目をしながら立ち上がった。


懐から取り出したのは銃。


黒く無機質に塗られた銃口を向けられた相手は「ヒッ」と小さな悲鳴を上げて頭を抱え込んだ。



「ヨシキさん。さすがにそれはまずいです」


「黙れ」



ヨシキは冷たい目のままトリガーにかけた指に力をこめた。

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