第17話
目を瞑り、どうかまたタカさんと会えますように、と心の中で祈る。
『てめぇら、俺らのこと誰かに言ったらぶっ殺すからな』
突然、路地裏で聞いたあの低い声を思い出してハッと目を開けた。
その声色はまるで死神のように生気がなく、軽蔑や憎悪を超えて若葉たちの存在を否定しているようにすら感じた。
裸で踊り、官能を売りにしているくせに、快楽は売らない。
立派なビジネスとして成り立っているのに、男はそれを求めているのに、ああやって蔑んでくる人間が居る。
別に胸をはって「この仕事を誇りに思います」なんて言わないけど、誰かに差別される覚えはなかった。
ああいう人間はいなくなればいい。
若葉はよりいっそうキーホルダーを握り締めた。
その時、キーホルダーの芯の部分がやけに鋭く若葉の指に当たった。
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