第7話

「ねえ?タカさん。次はいつ会えるの?」


「ごめん。もう会えないんだ」



躊躇いのない口調に若葉はタカヒロの左手を盗み見た。


薬指に指輪は無い。という事は既婚者でもなさそうだ。


それなのにもう来ないなんて、もしかしたらタカヒロはこういう店自体が嫌いなのかもしれない。



「…そっか」



若葉は大袈裟に肩を落とした。


別に演技じゃなく本心だった。



「本当に?」


「ああ」


「連絡は取れるでしょ?」


「ごめんね。それももう無理だ。解約したし」


「…寂しい」


「ごめん」

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