第5話
『それでは皆さまお待ちかねのダンスタイムです!今宵も可愛いキャスト達が妖艶な踊りを披露します!くねる腰つきをを堪能した後は是非彼女達に心付けを!』
心付けとはチップの事だ。
こんな堂々と、しかも踊る本人じゃなくて指示する男がねだるなんて、客達は興醒めしたような苦笑を漏らすしかなかった。
「じゃあ行くね」
若葉は対面に座っていた客に席を空ける挨拶の乾杯をすると、腰を上げた。
「待って」
もうほとんど立ち上がりかけていた若葉の剥き出しの腕を客が捕らえる。
基本的にボディタッチが禁止のルール。
それを入店前に嫌というほど聞かされたのか、客は我に帰ると急いで若葉の腕を離した。
「ごめん」
「ううん。大丈夫。どうしたの?」
「いや、なんて言うか」
客は苦く笑いながら黒髪をかいた。
「行って欲しくなかったから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます