第4話

「つまらないの?」


「いや、そういうのじゃなくて」


「どうしたの?」


「緊張してた」



客はやっと顔を上げるとバツが悪そうにはにかんだ。



「いつも来てるのに、いまさら緊張?」


「今日の若葉はなんか色っぽすぎる」


「そうかな?いつもどおりじゃない?」



若葉は控えめに笑いながら露わになっている胸元に視線を落とした。



「そう言えばそろそろショーの時間?」


「うん。もうそろそろだよ」


「若葉踊るの?」



客の切なそうな目に若葉は躊躇いがちに頷いた。



ちょうどタイミングを同じくして店内のBGMが絞られる。


そしてマイクを通して男性従業員のやけにハイテンションな声が響いた。

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