第5話

この砂漠の先にはなにも無い。人も、動物もいない。


行けども行けども砂漠が続くだけでなんの発見も無いそうだ。


洞窟にいる人達だけがだけがこの地球の住人。


洞窟の住人達が意地悪だとか、折が合わないわけじゃない。

むしろ心地よく暮らしている。

だけどその心地よさから一歩抜け出すと途方も無い虚無感に襲われる。


キティは気を取り直して歩き出した。


少し歩いた所にかろうじて緑が生えている場所がある。

キティはそこに畑を作った。

腐りかけの芋を植えたら予想に反してそれは根を張って、次の年には豊作になった。


それからキティは我流で作物を育て、ささやかな畑を耕していた。


さすがに収穫前に8日も雨が降らなかったのは今回が初めてなので、作物が枯れてしまったのではないかと気が気じゃなかった。


洞窟の入り口から離れたところ、自作の畑に着くとキティは一面を覆っていた遮光の為の布を摘み上げた。

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