第3話

「キティ。外に行くのかい?」



自分の呼吸音と熱に窒息しそうになるキティに、声をかける人がいた。


キティは慌てて振り返ると、厚いガラス越しに包帯に全身を巻いた老婆に会釈した。



「雨が降っているの。外の畑を見に行きたくて」


「そうかい。雨は毒も一緒に降らすからね。気をつけておいで」


「ありがとう」



キティは再び会釈した。

老婆は包帯の隙間から見える灰色の目を細めた。

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