第2話

キティは入念に身支度をしている。

なんたって今日は8日ぶりに雨が降っている。


さっき、岩の隙間から僅かに見える外界は薄暗く、そして湿り気を帯びた風の匂いが鼻をくすぐった。


質素な服の上にまずは防護服を着る。

これを着なければ外に5分といられないからだ。

自分の命を預ける服は、重量に反してボロボロにすれて、いよいよ今日役目を終えそうに見える。


今日はその上に雨がっぱも被らなければいけなかった。


たった数歩いけば外界に辿り着くのだが、それまでの準備で疲れてしまう。


背の低いキティが装備を終える頃にはその体が2倍に膨れ上がっていた。


よし、と意気込むとキティは年季の入った防護マスクをつけた。

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