第5話
「キティさんは金髪の可愛らしい女性だと…」
「騙されたんだよ。キティは俺だ。背が高くて体格の良いアラブ人だ」
「しっ、失礼しました!」
声を裏返しながらバタバタと走り去る足音が扉の向こうから聞こえる。
その様子に帰宅したとき以上の大きな溜息をついたサイードが、テーブルに戻ってきた。
「…二日に一回は誰かしら口説きに来るって、どういう国なんだよ?」
「陽気な人が多いみたい」
「お前に危機感が無いのも問題だな」
「サイードが来る前は扉開けてちゃんとおもてなししたけど、みんな紳士で優しい人だったよ」
「お前がそんなんだから男が付け上がるんだろうが。だから俺がドバイに帰れなくなる」
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